カス餓鬼がオレの元にやってきたのは突然だった

スクアーロパパになる
      始めまして

「ボスに子供が出来たんだってよ」

ある日突然、マーモンから言われた言葉にその場にいたヴァリアーメンバーが固まった

此処は由緒正き会社ボンゴレ
世界でも稀に見ないくらいの業績と歴史のある会社だ
ヴァリアーとはそのボンゴレの新鋭たちが集められたいわばエリート組織
そのボスであるザンザスは次期社長と噂されかなりの敏腕だが、性格に難有のため適当に遊ぶ女がいてもまさか結婚できるはずがないとだれもが思っていた
特に付き合いの長いスクアーロは驚きを隠せない

「……!!!!」
「スクアーロ固まっちゃったよ」
「まぁ、ワタシもビックリしてるから無理もないでしょ…でもあのボスがパパになるなんてねぇ〜」
「ボス…」

未だ信じられないというメンバーにマーモンが留めの一言をいいはなつ

「今日連れて来るらしいよ」
「…!!!!!!」

それと同時に入ってきたのは怒りの暴君ザンザス本人だった


「……」

無言で自分の椅子に座るのはいつものことなのだが、その手の中には確かに小さな可愛らしい赤ん坊がいた
固まるメンバーをよそに動き出したのは一人のオカマ

「ボスぅ」
「……」
「あのね、その手にいる子供って…あぁ!!」

ザンザスはルッスリアーを完全に無視したと思えば、容赦なく突然子供を投げた
驚いたのはルッスリアーだけではなくその場にいたもの全員だ
子供、しかも赤ん坊を投げるのなんて予想もできない行動にダレもが慌てていた

「うぉっ!!」
「ナイスキャッチよ、スクアーロ」

赤ん坊の行き着いた先はスクアーロ
しっかりと腕の中にいる

「あぶねぇだろぉぉぉ!!」
「うっせぇ。カッ消すぞ」
「さすがボス。赤ん坊にも容赦ないなんてシシ」

ザンザスの行動はあくまで何時でも自分本意
他のモノに頼ることも合わせることもしない

「そのガキはお前が育てろ」
「…はぁ?」

だから相手の意見などいっさい聞かない

いきなり投げつけられた赤ん坊を育てろと命令されスクアーロは固まった


「家光の知り合いのガキらしいが、親が死んだらしい。家光に恩を売っとく」

家光とは秘書課の主任で現在の社長9代目の右腕であり、会社の特別重役でもある

「確かに家光に恩を売っとけば何かと便利に仕事もはかどるね」
「家光妻子持ち出しな」
「流石ボス!!」

スクアーロのことなどどうでもいい、マーモン達は口をそろへザンザスに感心していたが、本人スクアーロはぶざけるな、と憤慨した

「ガキはすぐ泣くからきらいなんだよ」
「でも、スクアーロちゃん。その子泣いてないわよ」
「……」
「むしろめちゃくちゃ笑ってるわね」

投げられた赤ん坊はニコニコと笑っていた

「名前は山本武。月に何度か家光が見に来るからしっかり育てろよ」

こうして、スクアーロと山本の奇妙な親子せいかつがはじまった


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ちょっとした悪ふざけでした。シリーズとして続けますよ



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