...小説

□『君と一緒なら』 1〜8話(未完)
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【第2話】

キーンコーンカーンコーン

妃菜と蓮が学校に着き、自転車を置いている時チャイムが鳴った

「げっ…もう始まってるんじゃね!?」

「そうかもっ!蓮走ろう!」

妃菜は先に走り出した

「あ、ちょっと抜け駆けかよ!?」

蓮は急いで妃菜の後ろを追った

しかし、すぐに蓮は妃菜に追いつきそして追い越した

「もう疲れたよー…」

妃菜は立ち止まり息を整えている

蓮は振り返り妃菜の近くに行き、妃菜の手を取った

「ほら、行くぞ」

「うぅ…蓮ありがと」

蓮は引っ張りながら教室まで連れて行った

教室の前まで行くともうHRは始まっていた

「どうしよう?」

「後ろからこっそり入ってけばいいんじゃね?」

「そんな簡単に行くかなぁ…?」

「まあ行ってみようぜ」

「う、うん…大丈夫かなぁ…?」

2人は少し屈んで教室に入っていった

「そこの2人ー、まーた仲良く遅刻かー?」

すぐに担任の佐藤に指摘された。

「そこの夫婦はいつも遅刻ねー」

「婚姻届け出して遅れたんですかー?」

などとクラスが皆茶化している

「うるせっ!」

蓮はそう言い席に着いた

「すいませんー」

妃菜はそう良いながら席に着こうとした

その時足に何かにつまずき転びそうになった

「あっ、ごめーん。足が長くてついぶつかっちゃったー」

これは浅野柚穂

少し不良で目立つグループに入っている

「あはは。柚穂って足長いもんねー」

「ってか小さすぎて見えなかったんじゃね?」

これは柚穂の取り巻き達だ

「浅野さん…」

もちろんわざとやったことは妃菜は分かっていた

その理由も分かっている

それは柚穂の好きな人が先日妃菜に告白したからだ

妃菜は断った

それも気にくわなかったらしい

もし断って無くてもそれはそれで嫌がらせするだろう

そんな事を妃菜は思っていた

「おい、妃菜。何やってんだ?早く座れよ」

蓮はそれに気付いたか柚穂を一度睨んだ

柚穂はすぐに顔を背けた

「うん、ありがと」

妃菜と蓮はここでも隣同士だ

「気にすんなよ?」

「うん、分かってる」

そうこうしてる内にHRが終わった

「ひーなっ!」

突然妃菜は後ろから抱きつかれた。

「亜梨沙ちゃん!?」

立花亜梨沙、妃菜の友達だ

「今日も二人揃って遅れて来たねー!全くここの夫婦はお熱いこと〜」

「夫婦じゃないって。それに…」

「神崎君と妃菜ちゃんは付き合ってないですよ?」

「そうそう、静香ちゃんの言う通りだよ!
私と蓮は幼馴染みで兄妹みたいに育って来たんだから〜」

静かに言ったのは清川静香。名前の通り静かな子だ

そんな3人の横でこっそり話しているのは蓮とその友達の三上紀隆だ

「兄妹だって」

「うるせー。どうせ兄妹止まりだよ…」

「ふーん。それでいいんだ?」

「よくない!でもあいつは…」

「鈍感?」

「そう…なんだよ。はぁ…」

「まあ頑張れ」

この2人の会話を聞いて気付くだろうが蓮は妃菜のことが好きなのだ

小さい頃からずっと

だから妃菜が告白された時は焦った

しかし断ったと聞いて安心している

「あれ?この紅葉どうしたの?」

亜梨沙は妃菜の机に置いてある紅葉を手に取った

「亜梨沙、勝手に人の物触っちゃ駄目ですよ?」

「えー静香はお堅いなぁ…」

「あ、別にいいんだよ触っても。
それからこれは蓮に貰ったの。ねっ、蓮?」

「あぁ。しかしこれくらいで喜ぶなんて妃菜はまだまだ子供だなぁ〜」

「ひどいー!いっつも子供扱いしてさー!」

「だって身長も小学生みたいだし」

「なっ!これでも中学生にしか見られた時ありませんー!」

「それ自慢になる?」

「はっ…。もういいもん!」

妃菜はそっぽを向いた

「蓮…それも原因かもよ?」

「え?」

「その態度。照れ隠しがあだになってる」

「う…だって何かさー…」

「まあ頑張れ」

「それさっきも言ったぞー?」

「そうだっけ。ま、いいんだ」

「相変わらず適当だなー…」

蓮は素直に自分の思いを伝えられそうに無い

「全く蓮ってばー」

「仲がいいよね〜」

「まあいい方だけどさ」

「付き合えばいいじゃないですか」

「私と蓮が?ないないだって兄妹みたいにしか考えれないからー」

ガーン

「あれ?今なんか聞こえなかった?」

「何か聞こえた気がする…」

「気のせいじゃないですか?」

今のは空耳じゃない

聞こえるほど蓮はショックを受けていた

紀隆は蓮の肩に手を置いた

「どんまい」

「うぅー…」

蓮は頭を抱えて悩んでいた
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