君の心臓になりたい
□変態奇術師現る!
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「い、いよいよ…ですね。」
私達の入った部屋はエレベーターのごとくどんどん降下して行き、B100と表示されたところでピタリと止まった。
扉が開くと、そこには数えきれないほどの人であふれかえっていた。
そしてイルミさんが301、私が302のプレートを手渡される。
「いや、あの…私は受験しないのでプレートはいらない、です…」
言いにくいなぁなんて思いつつ、プレートを配っている人(ロボット?)にプレートをかえそうとしのに、
「そ、そう言われましても…ここにたどり着いた時点で試験参加者とみなされます故…」
と言って却下されてしまった。
「えぇ!そんなぁ…」
困る、困るよ!どうしよう、私なんかがハンター試験を受けたところで死ぬのが落ちだ。まだ死にたくなんてないし、何より私の目的はキルア君を探すことなのに…
私が悶々と悩んでいると、イルミさん、つまりはギタラクルさんが口を開いた。
「良いんじゃない?受けてみれば。どうせ受けるのはタダなんだし、運良く受かれば一生お金に困らないよ。」
さらっと言ってのけるイルミさん。よくよく聞いてみるとお金のことしか言ってない気がする。
でも、どうしよう…死にたくは無いけど、キキョウさんに頼まれた役目を放棄も出来ない……
…よし、ここまで来たのも何かの縁だし、思い切って受けてみよう!もし死にそうになったら、その時はリタイアすれば良い。うん、それが良い!!
「わかりました、私頑張ってみます!!」
イルミさんとプレートをくれた人にそう告げ、いそいそとプレートを胸元につけた。