旅団シリーズ(クロロ)

□第一印象は最悪
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お弁当も食べ終わり、誰もがくつろぐはずの昼休み―…


「うわあぁあぁん!!!やだやだやだやだ、怖いよ――ッ!!」
「く、苦しい!落ち着け依、とりあえずはなれてくれっ」

涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔をクラピカに押し付けて泣き言を言うあたしを、キルアとゴンそしてレオリオの3人がかりで引きはがす。

「だって、だって…」
「いーじゃねぇか別によ、何かされた訳でもねーんだから。」

「…そりゃあそうだけど、」

確かにレオリオの言う通りな訳で。実を言うとルシルフル君とは喋ったことすらないし、特に何かされたと言う訳じゃないけど…とりあえず怖い、オーラがもう怖い!
だって風紀委員、幻影旅団と言えばほとんど不良グループの様なもの。ましてやその頭だなんて!
もしあたしが何か粗相をしでかしたりしたら…あぁ、考えるだけで恐ろしい!


「そうそう、レオリオの言う通りで意外と良い人かもしれないよ?」
「まぁオレは依の気持ちも分からなくは無いけどな。…まぁ何かあった時は助けてやるから安心しろよ!」

無邪気なゴン。そしていつに無く頼りになるキルア。

「私も同感だな、キルアと同じく何かあった時は助けに行こう。」
「うぅ、みんなぁ…そうだよね、人を見かけや噂だけで判断したゃ駄目だよね。うん、あたし頑張るよ!」


どうみてもあやしい集団だけど!嫌な噂しか聞かないけど!ここは先入観の無い心でルシルフル君と接する!
…粗相を起こさない程度に。
そう決意したところでタイミング良く5限目の開始を告げるチャイムが鳴り響いた。

レオリオはパクノダの隣、そしてゴン、キルア、クラピカは見事に固まって自分の席へと戻って行った。
そしてあたしはと言うと窓際の、ルシルフル君の隣へと腰を下ろした。




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