飛べない天使
□第4話::詐欺師の塒
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一次試験が始まってから8時間以上たった今―…
あたし達はやっと出口までたどり着いた。
「やった…!こ、これでやっと地上に出れ………」
あたしは言いかけた言葉を思わず飲み込んだ。
なぜなら、地下道を出れば明るい地上に出れるものだとばかり思っていたから…
しかし期待とは真逆に、出た場所は霧の濃い、薄暗い湿原。
「く、暗…っ!」
「はぁっ…はぁっ……んだよここは…」
どうやらレオリオも同じ考えを持っていたみたい。
他の試験生も例外じゃ無いみたいで、何やらざわつき始めた。
「ここはヌメーレ湿原。通称“詐欺師のねぐら”。二次試験会場へはここを通って行かねばなりません。
十分注意してついて来て下さい。ださまれると死にますよ。」
試験官であるサトツさんはは真剣な表情で言うと、受験生311名を率いて、ヌメーレ湿原へと突入した。
「ちっ、またマラソンのはじまりかよ!」
「みたいだね…まぁ仕方ないや。レオリオ、クラピカ頑張ろうね!」
あたし達は改めてを引き締めると再び走り出した。
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