飛べない天使
□第7話::二次試験会場
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「こっちだよ!」
あれからゴン、クラピカ、杏の3人はゴンの鼻を頼りに試験会場へと向かっていた。
そして杏の背中のツバサは、少し落ち着いたせいかあとかたもなく消えていた。
「そんなにはっきりわかるのか?」
「うん!レオリオのつけてたオーデコロンは独特だから、数qくらい先にいてもわかるよね。」
「ゴン、それある意味異常だよ…」
呆れる杏をよそにゴンは平然としている。
「えぇー普通だよ。それより杏、さっきのツバサすごかったね!すっごくキレイだった!」
「え、あのツバサが…?」
杏は耳を疑った。
今まで不気味がられたことはあるものの、キレイだと言われたのは初めてだった。
「私も同感だよ。話は聞いていたが、あんなに美しいとは思わなかった。」
杏は2人の言葉に、嬉しさや感謝、言葉では言い表せ無い気持ちガわいてきて今にも泣きそうだった。
「…そんなの初めて言われた。ありがとう、ゴン、クラピカ。」
今まで背中のツバサは、杏にとって恨みの対象、重荷でしかなかった。
杏は自分の背に生えるツバサを、少しだけ愛しく感じた。
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