旅団シリーズ(クロロ)

□こんな筈じゃ、
2ページ/2ページ





「…ルシルフル君、分かりにくいよ。あんまり真面目な顔で言うから全く冗談に聞こえない!」

確かに満面の笑みで冗談言ってるところなんて逆に想像できないけども。あまりにも分かりにくすぎる。


「ん、そうか?それは初めて言われたな、予想外だったよ」


なにこの人、馬鹿なの?いや素直なのは良いことだとは思うけど!
あまりにも想像していた人物像とはかけ離れていて全然頭がついていかない。



「それにしても普通は信じないと思うが、山田は意外と単純だな。」


かっちーん!
こいつは人を苛立たせる天才なんだろうか。

「…それどう言う意味よ。」


むくれるあたしをよそに、ルシルフル君はなんとも言えない、笑いを噛みしめた様な表情。


「いや別に。深い意味はないが、面白いなと思っただけだよ。」

からかいがいがあって、と付け足された。
バカにされてる感が否めない。だけど、あまりにもルシルフル君が子供みたいな顔で微笑むものだから、何も言い返せなくなってしまった。


「…ふん、それはどうも!」

なんて言いながらも、こんな顔するんだ、とルシルフル君の意外な姿に少し火照ってしまった顔を隠すように、ふてくされたフリをして再びそっぽを向いた。
…一体何をやってるんだろう。




こんな筈では、
(くそう、何で照れてるんだあたし!)


120819 はなの

前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ