飛べない天使

□第1話::銀色の少年
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「いらっしぇーい!」

店に入ると、愛想の良さげな店主が杏を迎えてくれた。


「ご注文はー?」
「えと…ス、ステーキ定食を弱火でじっくり。」

杏がナビゲーターに言われた通りに注文した瞬間、店主の目つきが変わった。


「あいよー」
「お客さん、奥の部屋へどうぞー」

案内されるがまま、奥の部屋へと入っる杏。


「本当にここであってるのかな…」


扉は締め切られ、部屋がエレベーターの様に下へと動きだす。


「今更だけど不安になってきた…なんたって1人ぼっちだもんなぁ。」


エレベーターはどんどん降りて行き、『B100』と表示された所で動きが止まった。


「着いた…!」


ウィィ…ン
静かに扉が開く。うす暗く、地下道らしき所だ。既にそこにはちらほらと人が集まっている。杏が渡されたプレートからすると、どうやら杏で100人目らしい。

全員の目つきはするどく、入ってきた杏を観察するかの様に見てくる。


『すごい…外とは空気が違う…』


張り詰めた空気に息を飲み、あたりを見渡す。
すると、1人の男が声をかけてきた。



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