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張遼と徐晃はお互い目を合わせて、腹をくくった様に姿を現した。
「ありゃ…張遼も徐晃もそんな処でどうしたの?」
「名無しさんが食堂を飛び出すから…心配で追ってきたのではあるまいか。」
「あ…そうだった。」
張遼の言葉に名無しさんが思い出したかの様に頷いた。
「…何時でも来い、歓迎する。」
名無しさんに軽く微笑むと、曹丕はその場を立ち去った。
「我々は…邪魔をしてしまった様でござるな。」
「そっそんなことないよ!」
申し訳なさそうな顔を見せる徐晃に慌てて駆け寄る。
「姉弟水入らずな処を…」
「ううん、久し振りに子桓と話せて嬉しかったけど、張遼と徐晃が心配して来てくれた事も嬉しいの。」
2人に腕を回して抱き着くと、徐晃は背中に、張遼は頭に手を回し、大切そうに抱き締めた。
「名無しさん殿がそう言うならば…」
「可愛い事を言ってくれる。」
額に口付けを落とす張遼に、名無しさんが笑う。
「今日何回目?」
「何度でも。」
張遼に向けた視線をそのまま徐晃に向ける。
「っ………」
一度視線を外した徐晃が腹をくくった様に名無しさんの額に口付けた。
「ありがと」
「結構……恥ずかしいでござる。」
「へへへ。徐晃は照れ屋さんだもんね。」
「ところで…姜維殿は放ったままで良いのか?」
「元譲にお願いはしたけど…迎えに行ってくる。」
「少々時間が経っているからな、まだ食堂に居るとは……。」
「だよねぇ。何処にいるんだろ?取り敢えずお城に戻ろっか。」
城内の中でも遠い位置にある墓地から城まで歩くと10分は掛かる。のんびりと歩きながら城内に入って、取り敢えず食堂に向かう。
「あ!名無しさん様っ!」
「…姜維?」
食堂の入口で姜維と夏侯惇の姿を見つける。
「やっと来たか。俺は執務に戻るぞ、後は頼んだ。」
「元譲は帰っちゃうの?」
「溜まってるんだ、仕方なかろう。」
「そう…。」
「…約束は守る、少し待ってろ。」
「あ!そうだね、うん、分かった!」
夏侯惇に笑顔で手を振ると、姜維に向き合う。
「ごめんね、案内するって言いながら置いてっちゃったね。」
「いえ!戻って来て下さいました!」
ニッコリと微笑む姜維に抱き着く。
「名無しさん様っ!?」