□A・S・A・P
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■A.S.A.P.1■


貴方は誰にでも好かれ
誰にでも頼りにされて・・・・完璧で
誰にでも愛される

・・・不安が襲う・・・・

「都筑さん?」
夕暮れを背景に彼の顔が見えない

普通のことだけど不意に寂しくなる

「巽、俺が死んだらどうする?」
君はどうする?
僕一人居なくなったら?
それでも貴方は普通の生活を送るんでしょう?

「死神は死にませんよ。」

解っているよ。そう返ってくると思っていた・・・。
ココで俺は胸糞悪い空笑いで何時もの通り帰すんだ
大丈夫、少し思っただけ。

「じゃぁさ、俺が喋れなくなったら?」
有るだろ?くだらない事を聞きたくなる時って
・・・・別に何が言いたい訳じゃなくて・・・・

貴方が困った顔をするのも計算の内、でも困らせたくて言ってるんじゃなくて・・・・

「そうですねぇ〜。貴方平仮名ぐらいは書けるでしょう?紙に書いて喋ればいいじゃないですか?」

そうだね・・・別に喋れなくても、話す事は出来るんだ・・・
・・・何気ない価値観の違い
ねぇ、気付いて・・・・胸が苦しいんだ・・・・
お願いだから・・・・

「じゃぁ、俺の耳がきこえなくなったら?」

ソコから先は
  …‥言わないで

「ばかですねぇ〜逆をすればいいんですよ。私が文字を書いて見せれば・・・」

嫌だ・・・・嫌だ・・・嫌だよ、巽

「俺はいやだ!!巽!!おれは、そんなんだったら・・・」

そう、俺は子供なんだ・・・くだらない事に敏感に反応し
大人な貴方を何時も困らせる

でも、早く・・・・俺をこのジレンマから救って・・・

じゃないと俺は   
 本当に死んでしまう

息の代わりに涙が頬を濡らす

解ってる、
巽が拭ってくれる事ぐらい・・・助けてくれる事ぐらい・・
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