□音のない森
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■音のない森2■

「お前…そんなふざけた事を言うために俺を…?」

「まぁ、話は最後まで聞いてください
今日は貴方にとって
良い話なのですよ
坊やの呪詛を
解除して差し上げます」

都筑の表情が一瞬明るくなったがスグく曇った

「もうお分かりのようですね、
よくある話です
坊やの変わりになるのですよ貴方が…」
「ッ冗談!!」

都筑はその場を
離れようと立ち上がった

足を
踏み出そうとした瞬間
一瞬にして
世界が歪んだ
足が絡まって
体がふらつく

「あ、そうそう
不本意ですが
貴方の体にちょっとした薬を打たせてもらいましたよ。
まぁ覚せい剤
といったら聞こえは
悪いですけど
量的に多めに打たせてもらったので
貴方はドアノブにも届く事が出来ないでしょう…

「…‥ふふ、
そうしていると
本当に瀕死の蝶みたいですね」

よたついている都筑を軽く抱き寄せ
強張る顔に
邑輝は満面の笑みを見せた

「大丈夫
貴方を
悪いようにはしない」

邑輝は都筑を
元のベッドに戻すと
上着を脱ぎ始める
「呪詛は、一人じゃ出来ないのです…‥
私的には
私と貴方の交わっている姿を
誰かに見せるなどと
言う行為はしたくないのですが…‥」

「…誰か…‥・居る。」

邑輝は
クスクスと笑い出す

「感の良い人は
嫌いでは有りませんよ…‥実力を
隠している人もね」

邑輝は
人物が居るであろう
暗闇に問いかけた

「ねぇ、貴方も
そうなんでしょう?
秘書殿」

「た・・・・巽!!!?」

紫の瞳は
深い青を映し出す
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