11/02の日記

08:06
とおいとおいむかしのはなし 一護と一心(ぶ+ディ+後)
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「父ちゃん、お話して!!」


まだ俺が幼稚園児のときに聞いた話だ


「何だぁ一護、まーだ一人で寝れないのか?ん?」

「ち、違うもん!母ちゃんが父ちゃんに聞けば面白いおはなし知ってるって言ってたんだもん!」

「よーし!素直に寝ると約束出来るならしてやる!!」

「やったあ!!」


今思えば、幼稚園児の頭にはちょっと難しい話だったように思う


「父ちゃん早く!」

「よーしよし、話してやる。むかしむかし………」


むかしむかし、一人の男の子がいました。

勉強も運動も苦手な男の子は、友達がいませんでした。だめなやつだとみんなにいじめられていたのです。

疲れてしまった男の子は、空に向かって願いました。


『次に生まれ変わるなら、友達がたくさんほしいんだ。だから僕を友達がたくさんいる世界に連れていって!!』


男の子が叫んだ瞬間、男の子の目の前に背の高い男が現れました。そして男は言いました。


『それがお前の願いか?』

『うん!』


男は小さくため息をつき、男の子に言いました。


『お前はこれから17人の人間に出会う。彼らと話し、考えが変わればそれで良し、変わらなければそれも良し。お前次第だ。もしも変わらないなら、私がお前の望みを叶えてやる。』


男はそれきり現れませんでした。しかし彼の言う通り、残り16人の人間に会うのでした。

会うたびに彼らは男の子に語りかけます。


『お前には夢が無いのか?』

『なぜそこまでして人生を捨てたい?』

『君にはいい名前があるじゃないか!』

『もっと家族を大切にしろよ!』

『僕には理解出来ないよ……。』

『人間っていう生き物として生まれて来たんだろ?』

『もっと生きることを楽しめねぇ?』

『理由なんていらないだろ?生きることに。』

『この世には死ぬことよりも辛い事があるの………。』

『守りたいものを守れない事ほど、辛いものは無い。』

『大切な人が死ぬことほど、悲しいことは無い。』



つづく

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