12/17の日記
07:47
冬の長身組 一+遊(後)
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「あ〜〜…………、俺寒いの駄目だなホント…。」
薄いオレンジのマフラーにスポーツバッグを背負った青年、黒崎一護は一人でそうブツブツと呟きながら学校の靴箱へ向かっていた。
一応剣道部という名目である彼だが、赤髪の友人に無理矢理入れられたものであるためあまり顔を出すことはない。もう一人の銀髪の友人も剣道部でありながら冬限定で美術部であるためそれに便乗している感じである。
靴箱から革靴を取り出し、履き替えながら窓の外を見ると、白いものが降っているのが分かった。
「降ってきたな………とっとと帰るか。」
空座町はここからは少し遠いため電車通学である一護は、寒さに身をすくませながら校門を出る。すると見慣れた顔が校門の端に立っていた。
「よ、遊星。」
「黒崎か、どうした。」
特徴的に跳ねた黒髪の青年、不動遊星はこちらを振り向いた。
「いやどうしたはコッチの台詞だろ。バイクどうしたんだ?」
いつも一番早朝にバイクで現れる彼は、クラスの中で一番登校時間が早い。刻限が八時二十五分なのに対し、彼が校門をくぐるのは七時半である。勿論、律義な彼に遅刻は一度も無い。
「いや………、朝から気温が低かったからな。路面凍結して走れる状態じゃなかったんだ。」
「なーるほど。確かに事故は御免だな。」
一護は靴の裏で雪を踏みつけ、そのまま滑らせてみる。成程、確かに事故が起きそうだ。
「てことは、お前今日は歩きか?」
「まあな。」
「う〜ん、じゃあ一緒に帰るか。」
「…………………?」
遊星はポカンと口を開け首をかしげる。なぜだと聞いているようだ。
「……………………。」
「いや言葉を発しろ。」
「何でだ。」
「……………………。」
「言葉を発しろ、黒崎。」
「どう説明つけりゃいいのか分かんねーからだよ!!!!」
ガシガシと頭をかきむしり再び遊星を見る。しかしすぐに目を逸らしポツリとつぶやいた。
「……理由なんかいらねーだろ。」
尚も首を傾げる遊星だった。
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一護さんもあんまり喋るタチじゃないはずなんですけど………。遊星の前だとめちゃくちゃ饒舌に見える(・ω・)
白山
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