novel

□寝顔
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「ふわ〜疲れたあ」


そう言いながら原田梨紗は自分の教室-2年B組の扉を勢いよくあけた。

梨紗は図書委員の仕事のために放課後長い間図書館にこもっており、いつの間にか教室はきれいなオレンジ色に染まっていた。


梨紗は誰もいないと思っていた教室に誰かいることに気がついた。

「日渡君…」



怜は自分の机の上で静かな寝息を立てていた
すらっと長い腕に頬を乗せて眠る怜。
めったに見られない彼の寝顔。
梨紗はその横顔に看取れてしまっていた。
(日渡君、寝顔結構かわいいんだ…)
梨紗は怜を起こさないようにそっと近づいた。
彼女も羨むほどの美しい肌、
梨紗はその頬に指をすべらせた。

「…ん」

梨紗は怜が目を覚ましたかと思いすぐに手を離した。
しかし怜は目を開ける事はなく依然すやすやと眠っている。














(今なら大丈夫かな…?)















梨紗はそっと身をかがめ怜の頬に優しく口づけた。
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