novel

□確かなこと
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私はずっとダークさんばかり見てた。


ダークさんに会うために、誰もいない夜道を駆け抜けたり、警官の目を盗んで美術館に乗り込んだり・・・。

会うことは無理だと分かっていても、なんとかしてダークさんに会いたかったから・・・

それだけ私はダークさんが好きだった。
私の目にはダークさんしか映らなかった。




























でも今は・・・?
















































いつからだろうか?
ダークさんじゃなくてあなたを想うようになったのは・・・。


ダークさんを追うあなたを私は追っている。
あの日から私の目にはあなたしか映らなくなったの。


あなたのその蒼い瞳。
あなたの私を呼ぶ凛とした声。
そしてあなたの微笑み・・・。
そのすべてが私を惹きつける。



そして・・・

私の事を守ってくれているのはあなただった。
私はずっとそれに気付けなかった。
あの時私を助けてくれたのは白い翼をまとったあなただったのね。
それから後もあなたは何度も私を守ってくれた。





でも今度は私があなたを守るから・・・。
もうあなたに辛い思いはさせたくない。
あなたが辛い時は私がそばにいるからね?

あなたの笑顔失いたくないから・・・。
いつまでも見ていたいから・・・。

だから本当に辛い時は1人で我慢したりしないで?
私の側で泣いてもいいよ?

涙を流すことも大事だから。
涙を流すことで強くなれるから・・・

私にとっての確かなこと。
それはあなたを大切に思っているということ。



確かに人はかならずすべてを失う。
私とあなたの別れはそう遠くない未来に訪れる。
あなたは私の手の届かないところへ行ってしまう。

私はこの現実をなかなか受け入れる事ができなかった。



あなたの命が間もなく尽きてしまうこと・・・

信じられなかった。




でもね
でもね
今は違う。







思いは消えたりしない。
時を超えて人の心に生き続けるから・・・。

たとえあなたが死んでしまって会えなくなっても、あなたは私の心の中で生き続ける・・・。




だからあなたも失う事を恐れないで。
私はずっとあなたの側にいるから。











私にとっての確かなこと。
それは
あなたが好きということ。
あなたを守りたいということ。



永遠にあなたの側にいるということ・・・。















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