†MAIN†

□*空が泣いた日
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あいつがいなくなってから、一週間が過ぎた。


いつも通りの毎日が過ぎていくだけのはずなのに、時折、まるで心に大きな穴があいてしまった様な喪失感に胸が苦しくなる。







「…それじゃあ、いってきますね」


「……あぁ」






いつもと変わることのない、柔らかな笑みを浮かべ、出て行ったあいつの手が、結局最後まで俺に触れることは無かった。


もしあの時、声をかけていれば、強く握り締め、白くなったあいつの手に、自分から触れていれば、今、何かが変わっていたのだろうか。




外はどしゃ降り。


俺を包む空気は、冷たく硬い。




部屋の中に響く雨音。


その中で俺はゆっくりと瞼を閉じた。



あいつが消えたあの日から降り続く雨。

まるで空までもが泣いている様で……






素直に泣くことの出来ない俺は、またまばたきを繰り返した。







fin.

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