高桂

□辰馬編
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俺が目を覚ますと、そこは薄暗い部屋だった。すぐに起き上がろうとするが、手は固定されているのか動かず、体に力が入らない。

体中、まるで電気ショックでも受けたかのように痺れていた。


「ハァ…ハァ……」


何故か分からないが、思うように声が出ない。

辺りを見渡してみても隣に倒れている人が居るくらいで、後は何も分からない。

ん?倒れている人…?


「ハァ…ハァ……。…オ…イ、…ば……さ…ゲホッ…、ゲホッゲホッ…ハァ…ハァ…」


倒れている人は荒い呼吸を繰り返しながら何かを訴えていたが、やはり声が出ないらしく、その声は言葉になっていなかった。
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