RE本!!!

風的妖怪退治指南。
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「風さん、キョンシーって吸血鬼みたいなもの?」

特に意味なんて無かった。ふと疑問に思ったのを聞いてみただけだった。

「そうですね。人間や動物の生き血を求め、頸動脈を狙い咬み付く…と言われています」

くだらない質問にも、真面目に答えてくれる優しい風さん。

「へぇ…。夜な夜なあれがピョンピョン跳ねて襲ってきたら怖いね…」

想像したらちょっと怖くなってしまった…。
でも今は、風さんといるから怖くないよ!

「もしも、襲ってくるような事があれば、呼吸を止めるのです」

おお、そうなんですね!
呼吸を止めるんですね?
なんて思った次の瞬間。

ちゅうううぅぅぅぅ―――――――――――――――――――――――――――――――――――………

きゃあぁあぁあ!
いきなり何するんですか!

「……ふ…っ…ぷはっ」

苦しかった…。
ハァハァ…息が出来なかった…。
てゆーか。

「…なっ…何するん、ですかっ…」

怒ってみるけど、真っ赤な顔じゃ迫力ないよね…。
息も乱れてるし…。

「呼吸を止める練習です」

ああもう…。
爽やかな笑顔で何を言うかな、この人は。
キョンシーは、人間の息を嗅覚で察知して襲ってくる…らしいけど…。
何なんだ、この色気もなければムードもまるで無いキスは。

「…風さん…」

「はい?何でしょう?」

何でしょう、って…。
そんな悪びれもなく。
仕方ないなぁ、その素敵な笑顔に免じて許してあげよう。




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