□マージナル
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突然ですが、私には好きな人がいます
｢…よぉ｣
『っひゃぁ!!』
｢んな驚く事かよ？｣
『いきなり話しかけるからでしょ!!』
｢ケッ
そういや、瑠璃見なかったか？｣
『………
瑠璃ちゃんなら学校いたよ』
｢そうか、んじゃオレは先学校行くぜ｣
じゃあな、と走り去る彼…獄寺隼人
そして私の好きな人
でも私が好きになった頃にはもう彼には彼女がいた
瑠璃ちゃんは可愛くて優しくて
私なんか獄寺のケンカ相手なのに
『はぁ…学校行こ』
私なんかに勝ち目はないから
私はケンカ友達でもいいんだ
それでも側にいたいんだよ
｢はよっ｣
『あ、おはよっ』
教室について席につくと隣の席の山本くんが話しかけて来た
｢なんか元気ねーのな｣
『！そうかな？』
｢今日の放課後で良けりゃ相談乗るぜ？｣
『でも部活が…』
｢ん？沢田って部活してたか？｣
『私じゃなくて山本くんが…』
｢オレは今日部活ねぇから大丈夫だぜ!!
沢田サンキュな｣
『わわっ！』
山本くんは私を心配してか頭を撫でてきた
…恥ずかしい
｢沢田、顔真っ赤なのな〜｣
『あ、たま…っ!!』
｢ん？｣
『〜〜っ』
｢ははっ♪
ホント沢田って可愛いよなっ｣
『な…っ』
何言ってるの!?
そう言おうとしたら
｢こらー席つけー｣
と担任の間延びした声
隣の山本くんは口元を手で抑えている
肩震えてますよ山本くん
気を使ってくれた事は嬉しい
しかもたまの部活の休みを私の相談なんかに…
すごく嬉しいんだけど、
｢な、沢田｣
『ん？』
ぼーっとしていたらまた山本くんが話しかけてくる
もちろん今度はひそひそ声
｢今から抜け出さね？｣
『へ？』
小さくて聞き取れない声に耳をすますと
ズイッと近付く山本くん
｢１時間目、２人でバックレようぜ？｣
『っ！』
耳に息がかかるぐらい近い
幸い私たちの席が一番後ろで先生が背を向けていたから良かったけど
私、顔赤い…？
『せ、せんせ…っ』
｢ん？どうした沢田？｣
ガタッと音をたて私は立ち上がる
不思議そうな先生
『体調が…』
｢…顔が赤いな、よし保健室行ってこい｣
『は、はい!!』
これ以上山本くんの近くにいるなんて耐えられなくて
恥ずかしくて
案の定顔が赤い私は熱があるのと勘違いされて保健室への許可がおりた
そのまま足早で教室を出る
もちろん山本くんの顔は見ないで
すると
｢オレも心配なんで付き添ってきます!!｣
｢っおい!!山本!｣
同時に教室のドアのピシャンという音
てか山本くん追って来てる!?
しかも先生止めたよね!?
山本くんが来たら意味がない
…いやバックれるつもりの山本くんには丁度いいのか？
どのみち恥ずかしいから進路変更して私の足は屋上へ
山本くんは私に気付いてない様で階段を降りていき私は屋上への階段を上った
キィィィ…
『つ、疲れた…!』
山本くんは意識してないのかもしれないけどカッコイいし、
男の子が近くにいたら女の子は恥ずかしいに決まってる
『山本くん、かー…』
私が獄寺を好きなのを唯一知ってる人
あれは確か３ヶ月前の放課後…
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