Normal小説

□空手道大会
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「・・・はぁ!!」

少年は敵に鋭い蹴りを入れた。

「技あり!赤の勝ち!」

審判がそう言って試合が終わると、先程まで試合を見守っていた少女が駆け寄って来た。

「お疲れ様です!!キラ!!」

少女はキラにタオルを差し出す。キラもそのタオルを受け取った。

「ありがと!ラクス!試合見に来てくれて。」
「いいえ。私もキラの空手の試合、一度見たかったんです。」

キラはあんまりにも嬉しそうに笑うラクスに試合の疲れが癒された気がした・・・。

「キラはとても強いんですのねvV次は決勝ですわ!!」

「うん。だけど・・・」

キラは少し嫌な声を出して別のコートへ目を向けた。ラクスもキラの目線の先を追った。

「・・・はぁぁ!!!!」

「中段突き!!白の勝ち!!」

思いっきり中段を入れられた相手を見て、ラクスは目を覆った。

キラは負けた相手を軽く見てから勝者の姿を見た。

―きっと、あれは・・・。

コートを離れて防具を外すとその人物は顔を見せた。

「あら?あらあら?・・・カガリ様・・・?」

ラクスはその人物を見てキョトンとしてしまった。

「・・・やっぱり。」

キラは困った顔をしてカガリを見る。

「カガリはオーブの空手大会で僕達相手でもほとんど負けなしなんだ。」

キラは肩を下ろしながらラクスに教えた。

「男性を相手に、ですか?」

ラクスはキラに聞き返した。

「うん。だから最近は男でもカガリとの試合を断るって評判だよ。」

キラはカガリを眺めながら言った。

「キラもやりたくなさそうですわね?」

「うん。でもカガリと言うより僕は…」

「カガリがなんだって?キラ?」

―この声は…

キラは自分の言葉を遮った奴の顔を見る。

「まぁ!!アスラン!貴方もいらしてたの??」

ラクスは驚いたようにアスランに言った。アスランはひさしぶりと微笑んだ。

「ガガリの試合を見にね。それよりキラ、お前次の試合カガリとだって?」

「まーねι」

キラは嫌そ〜に答えた。

そんなキラに向かってアスランは…

「わかってると思うけど、次の試合カガリに『もしも』の事があったら…」

俺がお前を討つ!!っと大袈裟なことを言うだけ言ってアスランは去って云った。

―カガリとの試合より君が怖いんだよ。アスランι

「かんべんしてよ…」

キラは心の底から願った。

「大丈夫ですか?キラ…?」

心配そうにラクスはキラに声を掛ける。

「ラクス…僕、出たくないι」

―アスランの言う通りにしたらカガリに怒られるし…ι
 逆にカガリを優先すればアスランに殺されるし…ι

キラは暗〜い顔をしながら次の試合の準備をした・・・。

―果たして大会の結果は…??

 ≪翌日≫

「おい、キラ!!なんで試合、手抜いたんだよ!!」

カガリはキラに罵声を浴びせた。

―手なんか、一応抜いてないし…。

「キ〜ラ!!お前、真剣にやってどうするんだ!!俺はカガリに何かあったらってハラハラしてたんだぞ!!」

アスランもキラに対して腹を立てる。

―…ちくしょう!何なんだよ!?この二人は!?
矛盾してるんだよ!!!迷惑だぁー!!

キラは苛立つ気持ちを隠すかのように家を出た。

―今日こそ、ラクスと寝てやる!!あいつらなんか知るか!!!

キラはラクスを抱くため(?)ラクス邸へ向かった。

リビングにはテレビが付いたまま…

「昨日の空手大会は、優勝者はカガリ選手。二位は惜しくも反則負けをしたキラ選手でした。」


ーENDー

◆おまけ◆

果たしてキラはラクスを抱けたのか?!
微妙です…。
 

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