さん

□失墜
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【失墜】

白銀の其れが
ハラハラとその姿を
無くしてしまい
残ったのは夥しい
見事なまでの綺麗な
鮮血のみでした

卑しいのは
己の性でしかなく
何度だって
白を赤く染めた所で
痛い 痛い と
鳴く事すら許されず
千切れた血肉を
食い荒らしてしまう

血で赤黒く染まった
その羽根では
再び空に戻る事など
出来やしなかったのに

羽根が今ではもう

空に帰りたいと
天に還りたいと
静かに鳴いた所で

今では、もう

今では、もう


*************

夥(おびただ)しい

天(そら)

と読んで下さい

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