さん

□居なくならないで
1ページ/1ページ






【居なくならないで】


追い掛けて
追い掛けて
その広い背を
見失わない様に
手を伸ばした

(気まぐれなアンタが
俺なんかを見ないと
最初から知っている
けれどこの愛を
他に何処で囁けば
良かったんだ?)

軽い調子で歌う様に
いつものセリフ
機嫌の悪いアンタは
俺に拳を振るって
吐き捨てるのだけれど
俺がアンタの視界に
入れた事が何よりも
嬉しかった

(キチガイ?
嗚呼そうかも知れない
夜にアンタの事を
思い出しただけで
火照る身体)

シガーとアルコール
心地良い熱に安眠
狂った愛を囁けば
ほら嫌悪に歪んだ
その顔が堪らなく
愛しくて仕方ないから

危険な相手と
危険なセックス
その危うさが
俺には堪らなく
気持ちヨクて
一人で向かえた
アノ日の午後
たった一人で
泣きじゃくったのは
アンタのせいだと思う


そんな事アンタは
知りもしないのだけど




.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ