青春の恋心
□08*秘密の演奏
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「綺麗な音…」
素直にそう思った
普段は放課後に学校に残るのは中の部活だけだが、音楽系の部活はなかったような気がする
(入って、いいよね…)
勇気をだしてドアノブに手をかけた
「誰だ?」
いきなりピアノの音が止まり中から声がした
聞き覚えのある声
(この声は…)
「イアルさん」
そう呟いた時、イアルさんがドアを開けた
「貴女は、…」
驚いたようにイアルは言った
「こんにちわイアルさん、ピアノ、やっぱりひけるんですね」
「ああ、知っていたのか?」
「はい、ユーヤンに聞きました、でも聞いた人はあまりいないとか、」
「そうだな…、1ヶ月に一度しか学校ではひかないんだ」
「え、そうなんですか、じゃあ今日が…」
いや、とイアルが優しく微笑んだ
「今日は、たまたまひきたくなったんだ」
笑顔に一瞬、心臓がはねた
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