青春の恋心
□09*募る想い
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「……くれ」
「え?」
「やめてくれ!!」
言ってから後悔した
何であんなに大声を出したのだろう
「イ、イアルさん…?」
エリンはおどおどしながら俺を見ている
それにイライラした
言ったことはもう戻らない
ならいっそ…、
「貴女が俺以外の男に笑顔を向けるのが嫌だ」
エリンは俺の話を真剣に聞いている
「それを見るとイライラする、吐き気さえする」
「イアルさん、それは…」
「俺は、貴女とはもう話さないし、会わない」
「え……」
「こんな想いをするのは嫌なんだ」
俺は言葉を捨てはいて、エリンに背を向けた
エリンが俺以外の男と一緒にいるのを見ると
胸が焼けるように痛い
泣きたいほど、胸が熱くなる
そんな想いはしたくない
それと同時に、もう一つ、何かが募っていく
温かくて優しい想い、
俺はまだ、気付かない
―募る想い―
*10に続く
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