ビビビ小説

□やめちまえ!!!
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俺がやつに、変な気持ちを抱くようになったのはダイアモンドダストが、雷門に負けてから…。

あいつは今、何をしているのだろう?
あいつは今、何を考えているのだろう?

あいつは…今何を思っているのだろう?


「ねぇガゼル…?雷門と引き分けたそうじゃないか敗者には、ここにいる必要性などない。だろう?バーン?」

「………。」

「…っく…!!!私は…負けてなどいない!!!」
「じゃあ…どうして僕達は、引き分けたイプシロンをあんなにも罵った?」
「…ッ…!!!」

「…!」


あんなに
あんなに追い詰められ、冷静である奴が、悔しさと悲しみを顔に出して、
苦しんでいる…。

少し前まで、自分もあいつを罵っていた。

だけど今は違う。


「憐れだね…。」
「…。」

違う…俺達は、あいつを罵って良い立場じゃない…。
雷門が強くなりすぎているんだ…。
雷門とダイアモンドダストが戦う前、俺達3トッ プは、競い合える良いライバル…同じ立場だったのに…。

今では、ライバルというより、負ければ自分よりも下級と思っている。


俺達は最悪だ…。







何より…父さんが…






こうさせたのかもしれない。



「バーン?」
「悪りぃ。俺腹痛てぇから、部屋にもどるわ。」

「大丈夫?」

「あぁ。寝りゃあ治んだろ?今から寝っから、邪魔すんなよ。」

「はいはい。おやすみ。」
「おう。」

やっぱり違う。

「クソッ!…なんで俺達はこうやって人を傷つけなきゃなんねぇんだよ!!」

俺は、ガゼルの部屋を目指した。

「ここか…おい、がぜ…!!!」


俺は、部屋をノックしようとした手をとめた。

「…ッ…ちく…しょう!」

「…ガゼル…。」

ドアごしから聞こえる奴の嗚咽と、悔しさからくる怒りの言葉が聞こえてくる。


「…ッ…!」
俺は、手を握りしめた。

「私は…負けてなどないのに…みんな…離れていってしまう…クソッ!!」


「…。」
「みんな…私を棄てるのか…私を…棄てる…う…ゥッ…うわぁぁ!!!」

「…!!!」

ドンドンッ!!

「…ひっ!!??っく!」
「ガゼル!!開けろ!!!」
「…!!!!」


「ガゼル!!ガゼルッ!!!」
「…バーン。何しにきたの?…そうか。ここまで私を罵りに来たんだな…。」「違う!!俺は、お前を罵りに来た訳じゃない!!開けてくれ!!!」
「嘘だ!!!帰れ!!お前は、私に構っているヒマなど無いだろう!!!そんな暇があるなら、雷門に負けて、私みたいにならないように、特訓しろッ!!!」
「…ッ…!!!」


ズキンッ…

「クソッ!!!お前は、それで良いのかよ!!??」
「…ッ??!」
「負けてもないのに、けなされて、罵られて、お前はそれで良いのかよ?!」「…っく…!!」

「そんなくだらないお前のプライドなんか、俺がぶち壊してやる!!!」

「……!!!!」

うぃぃん…
「うおっ?!!」
ドサッ…

急に扉が開いたもんだから、まえにつんのめった。
恥ずかしい。



「…早く入ってよ…見つかったらバーンも同じ目にあうよ…?」

「…。おう。」





「で?何のようなの?」
「…えっと…。」

「呆れた。結局バーンの言った事も、扉を開けさせるための戯れ事か。」
「…ガゼル、人と話すときくらい人の目を見て話せ。」
「うるさい!!お前に何がわかる!!!」
「…解るさ。」
「何が!!」

「父さんが必要としてないのは、お前だけじゃない。俺もそうだ。」
「…ッ…そんな…事」
「…お前…泣いてたのか?」
「…な…泣いてない!!」
「だから、こっち向かないんだろ?」
「だから、泣いてないっていってるだろ…ッ!!」

「やっぱり。」
「…ッ!!!?」
ぎゅっ…
「何一人で泣いてんだよ。」

「…私には…もう、頼れる奴などいない。」

「お前はそのまま一人で嘆くつもりなのか?」
「…?」
「そうやって、一人で嘆いてるだけでいいのか?」

「…。私は…。それしか無いんだよ。」
「そんなふうにかんがえるなら、つまらない人間なんかやめちまえよ!!!」
「!」
「俺がいるだろ??俺の気持ちは無しなのかよ!!俺の気持ちは無視なのかよッ!!!??」
「バー…ン…?」
「俺はお前の力になりたいんだよ!!!お前の事が好きなんだよ!!!」





「っえ…?」
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