Long

□ミントの恋
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「美鈴ー!ご飯できたよー」


鏡の前で制服を整えて肩までの髪をコテで内側に巻く。ちょうどスプレーをかけたとき、下からお母さんの呼ぶ声が聞えた。

リビングに入るとお父さんがこっちを振り向く。

「おはよう、すず制服似合ってるな」

「ほんとね。ねえねえ、私の高校時代に似てる?」

お母さんがお父さんにかばんを渡しながらにやにやして聞くと、お父さんが照れたように笑った。



お父さんとお母さんは高校の同級生で、大学卒業後に告白して付き合い始めたんだって。

私も高校でお母さん達みたいに大好きな人を作りたいなって小さい頃からずっと憧れてたんだ。


「すず、学校置いてくぞ」

ぽけーっとお母さん達を見ていた私にお兄ちゃんがお皿を片付けながら言う。


「あ、ちょっと待って!急いで食べるから」

食パンをほおばるとお兄ちゃんが紅茶をいれてくれた。

「のどにつめるなよ」

そういって頭をぽんぽんってして優しく笑う。




――高校生活が今日から始まる。

お父さんとお母さんみたいに運命の人と出会えたら・・・そんな期待を胸に玄関を出た。
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