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□不動産屋さんの恋。U
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え?どういうこと?
そう質問しようとするのと同時に鐘がカランとなった。
「こんばんは」
聞こえた声に胸が一気に高鳴る。
「お待たせしました、里見さん」
ゆっくりと振りかえると
もう私のすぐ後ろに立っていて、私の大好きな笑顔を浮かべている彼。
…後何回この笑顔を見たらドキドキしなくなるんだろう?
体が一気に熱くなって、鼻の奥がつんとする。
私…松岡さんのこと本当に好き。
始めは連絡とって、一緒にご飯食べ行ったりするだけですごく幸せだった。
でも今は…
松岡さんにも私を好きになって欲しい。
欲張りになってることは分かってるけど、やっぱりそう思ってしまう。
もう一度松岡さんを見ると、行きましょうかって手を差し出される。
それを握ってイスをおりて、ニヤニヤ笑う牧さんに挨拶をしてから店を出た。