銀魂

□あの日あの時あの場所で 神楽編
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母が死んでから、この故郷に守るものが無くなった私は、住み慣れた土地を離れる事を決意した。
守るべき母はもういない。父も兄も帰ってきはしない。特に兄は、母が死んだ事も知らないだろう。あの日出ていったきり一度も家に寄り付かなかった。


なんて馬鹿な二人。私は心底そう思った。

二人が帰ってきてくれれば、母も私も嬉しかっただろう。また家族揃って食卓を囲むのが母の最後の夢。
しかしそれは叶うこと無く消えてしまった。



故郷に未練を残すこと無く私は星を発った。
しがみついたロケットが行き着いたのは地球の江戸という場所だった。

降り立った私はとりあえずこれからどう生活していくか思案してみる。

…特に何も浮かばない。

当然といえば当然か。今まで働いた事が無いのだ。一人になった事も無い。

考えあぐねていると、ふいに声をかけられた。

人間か天人か分からないような、汚らしい豚みたいな顔をした三人組。こんな風にネコ撫で声で子供に話し掛ける連中は故郷で腐るほど見ている。
いわゆる人買い。

こういう奴らはどこにでもいるんだな。一つ勉強になった。
礼代わりに、一撃で三人共のしてやった。
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