銀魂

□朝靄にみる一筋の光
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俺は息の仕方を忘れたのか。そう思う程の長い時間。息を飲んで、身動きがとれなかった。



「………泣いてねーだろ?」

声を絞りだして、ぎこちなく笑ってみる。


「銀さん」

ベチンッ


両頬に軽い衝撃が走ったかと思うと、まだ発育途上の細い両手に顔を挟まれていた。
「なん…」
「家族だと思えって言ったでしょ。覚えて無いんですか?」

真剣な眼差しで、驚いている俺の顔を見つめてくる。

「もう少し、頼ってくれてもいいでしょう?…あんたは無茶も無理もし過ぎなんです。僕はいつも不安で死にそうですよ。あんたが何に苦しんでるのか、どこで怪我してるか、わからないから…っ」


必死に、まくしたてる様に言葉を紡ぐ。最後の方は、新八のが泣きそうな顔してたと思う。

ハッキリは見えなかったけど。


「ぎ……」
「ごめんな。俺も一応大人だからさぁ、」


腕を引き寄せてお互いの体を密着させ、新八の肩に頭を預ける。

「ガキに心配かけんのは、不様だって思ってた」



「…ホント馬鹿ですね。」

さっきまで顔を包んでいた手が、今度はゆっくり頭に伸びてきた。

「何かあったら頼って下さい。僕だって肩ぐらい貸せますから。」

そう言って俺の頭を優しく撫でる。俺の方が年上なんだけどなぁ。




…頭撫でられんのってこんな安心するモンだったっけ。

新八とくっついた部分が少しずつあったかくなってくる。ああ、このまま寝れそうだ。

「…なーんか今の俺、お前の子供みてーだなぁ」

「似たようなもんでしょ」

どーせなら旦那がいい、というと、甲斐性無しは嫌ですだって。ヒドイなぁ。

「ねぇ、銀さん」

新八が、足元にずり下がってた掛布団を引き寄せて、まるで子供を寝かし付ける母親みたいに優しい声で話し掛ける。

「…んー?」

「朝ご飯の用意が出来たら起こしにきますからね」

「…おー…」

瞼が重くなる。まだこの心地好い声を聞いていたいのに。

「そしたらみんなでご飯食べて、買い物に行きましょう。今晩の食料と、トイレットペーパー。神楽ちゃんすぐ忘れるし。あと定春のエサも一週間分」

オイオイ、そんな金あったっけ?甘いモンは買ってくんないの?

「たくさん買うから、今日は忙しいですよ」

そうだなぁ。寝不足の体じゃ潰れちまう。

「だから銀さん、それまで」


今なら夢も観れねーぐらい眠れるだろう。






おやすみなさい。










あとがき

銀新です。誰が何と言おうと銀新です。銀と新しか出てないから銀新です。
またまたシリアスチック。ちゅーぐらいさせようと思っていたのにあれ?おかしいな。




いつか裏的なものも書いてみたいかな…ボソボソ
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