.

□甘いひととき
1ページ/1ページ


「ちょ、睦実さんっ」

冬樹くんが慌てて俺の手を押し止めた。

「なに?」

「な、なにじゃなくて…どこに……ひゃあっ」


抵抗を無視して手を動かせば、簡単に柔らかい肌に辿り着く。
俺の脚を跨ぎ膝立ちになっている冬樹くんのふとももをするりと撫で上げ、そのままスカートの中に潜り込ませた。

「や、ん…っ」

微かに熱を帯び始めた声に口元を緩ませながら、辿り着いた柔らかい双丘に手を這わせる。

「ふぁ…!」

やわやわと揉みしだく度、それに合わせる様に腰が震える。

「…冬樹くん、腰が気持ち良さそうに揺れてるよ?」

やらしー、とからかうと、そんなんじゃないです!とあまり説得力のない真っ赤な顔で反論された。

ふぅん?と眉を上げ、下着の裾から手を忍ばせると、その細い身体が一際跳ね上がった。

「やぁ、ん…っ」

「そんな声出してるのに?」

くすくす笑って撫で回すと、腰を突き出すようにして震えていた冬樹くんが、ぺたん、と俺の膝の上に座り込んだ。

「ふぁ…な、なんか今日の睦実さん、意地悪じゃないですか…?」

肩口に顔を押し付けながら冬樹くんが呟く。
真っ赤に染まった顔を見られまいとしているらしいが、髪の間から覗く耳がそれを許さない。

「そう?」

言いながら、しゅるんと腰のリボンを解く。

「最高の状態で食べたいからかな」

狼男としては。

「え、あ…」

ゆっくりカーペットの上に組み敷く。
見上げてくる濡れた瞳は、それだけで情欲を煽るもので。
ドクン、と自分の心臓が大きく跳ねる音が聞こえた。

「わっ、やだ…!」

ワンピースを一気に胸までめくり上げると、羞恥のためかほんのりピンク色に染まった滑らかな肌が露になった。
ごく、と喉を鳴らして、ぷくりと上を向いている小さな突起に舌を這わせる。

「ひゃ、ぁん!あっ、ぁ、だめぇ…っ」

執拗に転がし、時折吸い付かれる刺激に身悶える冬樹くんはとてつもなく淫靡な香りを放っていた。


「は、あ、あ…ぅ、むつみさん、むつみさ…っ」

「はぁ…、…どうした?冬樹くん」

「あ、あの…」

もじもじしながら視線を反らす冬樹くんは、何か言いたいらしく、えっと、そのぅ、を繰り返している。


まあ、何が言いたいのかはだいたいわかっている。
胸やお尻は散々弄っていたのに、一番刺激が欲しいであろう場所はまだ触れられてもいないのだ。

ちら、とそこに視線を送ると、とっくに張り詰めていたそれは既に下着を濡らしていた。


(……すごい眺めだな)

潤んだ瞳も、荒い呼吸で上下する胸も、無意識に揺れる腰も。
この恥態が自分によって為されたという事実が、さらに興奮を煽った。

(……っ)

ズクン、と腰が疼いたが、まだ衝動に任せるわけにはいかない。

「…もうちょい、我慢しててね」

「ひ、やぁ…!だ、だめっ」

するりとその張り詰めた場所を一撫でして、下着を剥ぎ取る。

「は、あぅ…っ」

布が肌を滑るのにも感じるらしい。めくり上がったワンピースの裾を握りしめながら、ぴくぴくと身を震わせ快感に耐えている。

指を唾液で濡らし、そっと冬樹くんの後孔に押し付ける。


「んっ……!」


つぷ、と狭いそこに侵入すると、すぐに熱い内壁が絡み付いてきた。

「んぁっ、あ…ぁあッ」

きゅうきゅう締め付けるそこをほぐすための挿入を繰り返す。
その度に冬樹くん自身から溢れてくる液体も加わり、いやらしい音が部屋中に響き渡った。

「ふふ、…気持ちいい?冬樹くん」

「ふぁ、…も、ちい…けどっ、ンンッ」

くるしい、と小さな声で囁かれる。
見れば、そこは痛々しいほどに腫れ上がり、ふるふると震えていた。

(まだ胸や後ろだけじゃイけない、か)

「じゃあ、一回出しとこうか」

後ろの刺激はそのままに、可哀相なくらいに主張しているそこに軽いキスを落とした。

「っ!ゃんっ」

「はぁ…、ん」

舌全体を使って、根元から一気に舐め上げた。

「やっ、だめぇっ…ふぁあ!!」

びゅくん、と放たれた白濁は、冬樹くんの白い腹を汚した。

「はっ…はぁ、はぁ…」

甘い余韻に浸る恋人に目を奪われる。

(…やばいだろ、これ)

この光景を、いやらしい以外に表現する言葉があるのだろうか。


ぺろりと唇を舐めて、後ろの指を一気に増やした。


「ひっ…やあぁッ、ぁあ…っ!」

指先に感じたしこりを重点的に攻めると、甲高い嬌声と共に背中をのけ反らせ震えた。


(旨そう…)

「ゃあ、んっ」

かぷ、と内股に噛み付いてみる。

(…ん、甘い)

まるで獲物を捕らえた獣のような思考。
あ、そういえば。

思った瞬間、ズリ、と何かが視界を覆った。

「…狼男だったんだっけ」

落ちてきた耳付きカチューシャを外してこの思考に妙な納得をした。

「へ…?」

「ううん、なんでもない。続き…シよ?」

「ふゃあっ!あ、ぁん、あぁッ…!」


激しくなった律動に驚きつつも、後孔は淫らに収縮を繰り返す。
そろそろいいかな?もう抑える自信が無いんだ。


握ったカチューシャを放り投げて、甘く喘ぐその唇に噛み付いた。





甘い甘い時間の始まり。






20091218

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ