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□終わらない恋になれ
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「ふっ…ぁ」

薄暗い部屋に響く艶がかった声。
発しているのは俺の可愛い恋人。

そんな声を出させているのは、もちろん俺。

少し前に、所謂『お付き合い』をすることになった俺達は、順当に事(デートとかキスとか)を進めてきた(と思う)。


俺としてはそろそろ次のステップに、と思っていた所へ、冬樹くんがお泊りに来るなんていうイベントが発生した。
お互いの同意がいる事だし、と、自分より幾分幼く、しかもあまりそういった欲が無さそうな彼の無邪気な笑顔に内心あまり期待はしていなかった。

「く、くすぐったぃ…」

「我慢、我慢」

首筋から唇を落とし、徐々に下へ降りていく。
その度に緊張からか身体が強張っていくのが見て取れた。


(…テレビ観てたんだっけ)

風呂上がりに、流れていた洋画を何となく観ていた。
その中で、家族と観ていたりしたら確実に変な空気になるような…まあつまり、ラブシーン。

(うわー…)

テレビで放送出来る程度のものではあるけれど、妙に気恥ずかしくなってチラリと冬樹くんの様子を窺うと、バチッと視線が合った。

「ッ!」

合った瞬間、その瞳はパッとテレビに戻されたけれど、その耳は真っ赤に染まっていて。

(…やば)

保っていたはずの理性が崩れかけているのに気が付いた。

「わっ、」

肩を抱いてグイと引き寄せる。
驚きに見開かれた瞳は大きく瞬いた。

「…キスしていい?」

呟くと、

「へ!?あ、は、はいっ」

律義な返事と共に大きな瞳が閉じられる。

小さな唇に自分のそれを押し当てて軽く啄んでみた。
ぴくん、と震えた冬樹くんに気を良くして何度も繰り返す。

しばらく夢中になっていると、


『ぁあっ!』


テレビから、急にボリュームを上げたかのような大きな声が響いた。
驚いて画面を観ると、向こうの二人はとっくに佳境に差し掛かっていて。

…おいおい、そこまでやる?

苦笑して横目で冬樹くんを見ると、真っ赤な顔で釘付けになっていた。



「…ね、冬樹くん」

「は、はい!?」

我に返って勢い良く振り向いた。
耳に当たるギリギリまで唇を寄せて優しく囁く。

「冬樹くんも…ああいうコトしたい?」

「え…えぇ!?な、なに、言って…!」

「俺はしたいよ」


冬樹くんと。


そう言って抱きしめると、考え込むように俯き、そして。

「……、です…」

「え?」

「ぼくもです」消え入りそうなか細い声で、確かにそう聞こえた。





「あ、ぁ…っ」

ベッドに移動してパジャマのボタンを全て外す。
露になった胸元に手を滑らせると、筋肉がほとんど付いていない薄い胸は、膨らみも無いのに触り心地に夢中になる。

やわやわと堪能しながら胸の上を這うと、

「ひゃんッ…!」

指先が敏感な場所に当たったらしい。
触れたその場所をくにくに刺激すると、胸の飾りは芯を持ち始めた。

「やっ…駄目、そこ…!」

ぷくりと立ち上がったそれを唇で挟み啄むように愛撫する。

「んん、ふっ……ぁ!?やぁあっ」

淡く色付くそこに甘く噛み付いてみると、ひときわ大きくのけ反った。

「は…、気持ちいい?」

「ん…よく、わかんな…っ…あぁっ」

「じゃあこれは?」

舌で転がすように舐めて、もう一方も爪で引っ掻くように刺激を与えた。

「ぁんっ、あ…だめ、なんか…へんっ」

シーツを握りながらなんとか堪えようと必死に身体を強張らせるが、溢れる嬌声は止まらない。

「可愛い…冬樹くん」

独り言のように呟いて、突起をちゅ、と吸い上げ手を下部へ滑らせる。

「へ…!?」

腹を伝って一気に下着の中へ侵入し膨らみを包み込んだ。

「あ、あ、やだ…っそな、とこ…触っ…!」

先走りで濡れたそれを上下に擦ると、今まで以上に熱っぽい声が漏れてきた。

「ひぁ、あ、ぁんっ」

快楽を強調するかのような潤んだ瞳。紅潮した頬を伝う汗。紅く濡れた舌を垣間見せる柔らかい唇。

(………っ!)

全てが興奮を煽る材料になった恋人に、必死に余裕を装ってきた俺にも我慢の限界が近づいていた。
カタ、とサイドボードの引き出しを開け、その中に隠しておいたあるものを取り出す。

「それ…、なに…?」

朦朧とした思考でも、初めて見るそれが気になったらしい。

「冬樹くんが痛くないように、ね」

?顔の冬樹くんをよそに、手にしたボトル容器の蓋をきゅい、と開ける。
透明な容器の中で透明な液体がたぽん、と揺れた。

「ひゃッ 冷た…!」

ズボンを下着ごと手早く抜き取り、下腹部にその液体を多めに垂らす。
とろとろと広がるそれを手で塗り込むようにしながら自分の指にも絡めていく。

「や、あ…!なんか、ぬるぬるして…ぁあ…っ」

その手で勃ち上がったままの冬樹くん自身を数度扱きあげる。

「…ッ!!やだ、ああ、あっ…ふぁあん!」

「…足、少し上げるね」

まだ達かせず、先走りも絡ませた指を足の間の奥まった場所へ。

「え…!?だ、だめ、むつみさ…っ!」

入口を擦り、く、と力を込めると、潤滑油のおかげもあってかすんなり指が収まった。

「―――ッ!!」

生暖かい内壁が収縮して指を締め付ける。

「ぁ…く、うぅ…!」

「…痛い?」

零れた涙を舐め取り問いかける。

「い…たくは、ないです…けど、なんか…っ」

は、は、と苦しげに息を吐く。

「…冬樹くん、少し力抜いて」

「ぁ…!?」

収めた指をできるだけゆっくり動かす。

「あぁっ…はぁんっ」

潤滑油の滑りを借りて抜き挿しを繰り返すと、段々と綻んできた後孔は新たな指も飲み込んだ。
ぐちぐちと卑猥な音が鼓膜を刺激してさらに興奮を煽る。

「や、もう…!あっ、ぁんん!!」

ある場所を掠めた時、冬樹くんの身体が大きく反り返った。

(ここ…かな?)

指を鍵状に曲げて確認すると、内股がびくびくと震えてまた締め付けらた。

「あっ、あっ、んぁっ」

擦るたび上がる嬌声。眉をハの字に下げ口元からは唾液が零れ落ちていた。

「…冬樹くん、すっごい気持ち良さそうだよ」

ニヤリと笑って囁いたが、本人には聞こえていなかったらしい。

「んぅ、むつ、みさ…!僕の身体っ…おかしぃ…ッひぁあっ」

ぶるりと震えながら、自身の先端からとろとろと快楽の証を溢れさせた。

「おかしくないよ。気持ち良いって印だろ?」

ぬちゃ、と音を立てながら先端を愛撫する。

「ゃあっ、あ、もぉ、駄目…!ぁんんっ」

「……ッ」

鼻にかかった甘い声は、俺の中心をダイレクトに刺激した。
だいぶほぐれた後ろから指を引き抜き、とっくに限界を訴えていた自身をあてがう。

「へ…!?なに……っあ、ぅあ…!」

「くっ…」

ゆっくり埋め込まれるそれに冬樹くんの身体が強張った。

「…っ!む、むつみさ…!ぅう…っ」

痛みに溢れた涙が、目尻を伝って零れ落ち枕に染み込んだ。

「は…、」

汗で張り付いた前髪を掻き分け、強く閉じられた瞼にキスをする。

「……大丈夫?…なわけないか」

ふるふると震える身体に罪悪感を覚える。
宥める様に顔中に唇を落とすと、細い腕が首に絡み付いてきた。

「むつみさん…」

囁くように名前を呼んだ唇に引き寄せられて深く口づける。

「ふっ…ん、ん」

何度も角度を変えて貪っていると、慣れてきたのか繋がった場所から力が抜けてきた気がする。

「あっ、ふぁ…ぁんっ」

軽く揺すると甘い吐息が漏れた。

「…ぁ…睦実さん」

「ん?」

「もう、大丈夫ですから……あの…」

さっきの苦しそうな表情と違いとろけるように恍惚な表情で見つめられれば、何を言い淀んでいるのかはっきりわかった。

「……冬樹くん。その顔ヤバイ。可愛すぎ…っ」

「え…?あっ、ぁあ!」

熱い内壁に包まれた自身をさらに奥へと突き入れる。

「あっ、あんっ、ゃあっ…!」

「…くっ…ぅ!」


突き上げる度に漏れる淫靡な声に、もう我慢なんて言葉は意味を為さなかった。






「う〜…」

太陽が昇るにはまだ時間がある薄暗い闇の中。
向かい合わせで抱きしめたまま、冬樹くんの腰をさする。

「ごめんな、無理させて」

少しでも痛みが和らぐようにと優しく撫でながら謝罪すると、むぎゅ、と胸に顔を押し付けてきた。

「…い…嫌じゃ、なかったから…」

蚊の鳴くような声だったけどはっきり聞こえた。きっと顔は真っ赤だろう。

「そんな可愛いこと言うと、またシたくなっちゃうよ?」

腰を撫でていた手をするんと滑らせて、柔らかい双丘に這わせた。

「ひゃっ!?睦実さん!」

ビク、と肩を竦めた冬樹くんが慌てる。

「も、もうムリ…」

「うん。冗談」

「〜〜〜ッ!」

「いひゃひゃ、ごめんごめん」

むに、と頬をつままれた。力が入らないのか、全然痛くなかったけど。

「…ふふ、」

「…なんですか…?」

「ん?んー…。なんか、幸せだなーって」

チュ、とおでこにキスを落とす。

「大好きだよ」

「……っ」

優しく囁くと、顔を赤らめた冬樹くんが胸にすり寄ってきた。

(ああもう、可愛すぎる)

ぎゅう、とその小さな体を抱き寄せて、

(この幸せが一生続くように、)

そう願いながら目を閉じた。





(…そういえば、なんであんな変な液体持ってるんですか…(ジト目))
(ああ、ネット通販で買ったんだ〜。ちなみに、男同士のやり方もネットで入念に…)
(も、もういいです…!)


20100425

佐久間さんへ捧げます!
遅くなりまして申し訳ありません(>_<)
初えっちということで気合い入れたら、まぁ長ったらしくなってしまいました;そしてあんまり初なカンジがしない気もしてきたんですがいかがでしたでしょうか…汗
こんな感じでよろしかったら、お受け取り下さいませ〜。
では、リクエストありがとうございました!

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