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以下御礼小説です。
オスカーのお相手は貴女自身!



『Lost in LOVE』


 彼女の黒い瞳が好きだと、オスカーは思う。だがそれは、別段珍しい容姿という訳ではない。
 誰もが目を見張るような美人だったり、誰もが名前を知っているような有名人だったり。彼女は、そんな人間ではない極普通の女性だ。
 それでも、ただ一人。オスカーにとっては、世界の誰よりも美人で、世界の誰よりも知っている女性なのだ。

「愛してる…」

 耳元でそう囁いた時に頬を赤らめてしまう、そんな初々しさも。

「オスカー様…」

 少しだけ遠慮がちに、それでも嬉しそうに名前を呼んでくれる声も。
 態度、仕草、心、身体、声、瞳、その全てを持って彼女は。オスカーの五感をときめかせてくれる。
 かつてこんなにも穏やかで、熱中した恋があっただろうか。オスカーは、膝に乗せた彼女を抱き締めて思う。
 あったかもしれない。なかったかもしれない。そのどちらでも、最早オスカーにはどうでも良かった。過去に何があったとしても、あの時間があったから今がある。そう考えれば、恋敗れた女性達も救われるだろう。
 今やオスカーは、彼女だけの男なのだ。そう決めたのはオスカー自身。その決意は決して揺るがない。
 この恋になら、溺れても良い。
 オスカーは、水面のような青空を見上げて思った。




lost in love
(愛に溺れる)




END




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