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□本日二度目の溜息。
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総悟side+++
「おい総悟ォォォッ!!!!」
朝っぱらからうるさい声とともにうるさい足音が屯所内に響く。
ほんとはた迷惑な野郎でィ・・・
無視してやろうとぬくぬくとあたたかい布団にすっぽりと入ったと同時に部屋の障子がガラリと開いた。
「ちっ・・・なんですかィ土方さん。」
「なんですかィ・・じゃねぇんだよッ!!!!てめぇ俺のマヨ何処に隠しやがった!!!!」
大体聞かれることに予想はついていたが(なんせ俺が隠したのだから)わざと知らないふりをして溜息をついた。
「そんなん知りやせーん。だいたい女の子の部屋にノックも無しに入ってくるなんて変態でさァ。きゃーこわーい。近寄らないでへんたーい。」
本当は変態なんてこれっぽっちも思っていないが・・・
すると今度は土方さんが溜息をつく。
「一人称『俺』が女なんて言ってんじゃねーよ。だいたい都合のいい時ばっか女だとか言いやがって・・・しかも全部棒読みじゃねーかよ。」
そういうと俺の頭に手を乗せて「ホラ、マヨだせ」とか言ってきやがった。
なんでィ・・・俺は女に見られてねェってことですかィ・・・
なんか腹立つ・・・・・・
「もぉマヨも土方さんも知りやせんっ!!はやくでてってくだせェ!!なんか腹立つんでィッ!!!」
「あァ!?ちょっ、おぃ!!総悟ォ!!」
土方さんの声も聞かずにぐいぐいと部屋から追い出すと勢いよく障子を閉めた。
「もう来ないでくだせェ!!土方さんなんか大ッッッッッキライでさァ!!!!」
「ッ←多くねぇか!!?どんだけキライなんだよ!!!!ってか俺何もしてなくね!?!?」
「ッ←が一兆個入るくらいキライでさァ!!!!死ね土方!!!!!」
ほんとはそんなに嫌ってないのかも知れない。死んで欲しいだなんて思ったこともない。
けど何でか悪態ついちまうんでィ・・・
「おぃ総悟ォ!覚えとけよてめぇ!!後でまたくっかんな!!!」
「うっせェ土方!!もうくんな!!!」
ほらまただ・・・
もぉいやになっちゃいまさ・・・・・・
土方さんの足音が遠ざかって行く。
俺は土方さんが嫌い?それとも・・・少しは好き?・・・考えてみても分からない。
「なんでィ・・・この気持ち・・・・・・」
俺は本日二度目の溜息をついた。
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