君との子育ての日々 2

□バブ40
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「おい、なんか来たぞ」


「あぁ」


「なんだろ、あれ」



ラミアの転送に巻き込まれ、魔界に来てしまった男鹿達の前に、奇妙な生き物がやって来た。



「ヨップル」







バブ40

『あいさつはきちんとしましょう』






その生き物は片手を上げて、あいさつっぽい動作をした。



「「「「………」」」」


「ヨパレリメーヌ!!」



親しげにあいさつしてくるヨップルな生き物。



「殴っていいかな?」


「まてまて、話しかけられてるっポイだろ」


「もしかして、うちらと仲良くなりたいんじゃない?」


「そうなのか?」


「どうすればいいんだろ」


「とりあえず、ヨップル返した方がいいんじゃね?」


「マジか?『ヨップル』あいさつなのか?」



話し合いの結果、4人はヨップルな生き物にヨップル返しをする事に。



「「「「ヨ…ヨップル」」」」」



おそるおそるあいさつすると、ヨップルな生き物は口を開いた。



「ヨップル〜」



ヨップルな生き物が口を開くと、のほほんとした外見から想像つかない程、鋭い歯が並んでいた。



「「………っ!!」」


「ひっ!!」



男鹿と古市はガク然とし、未希は怯えてしまい、古市の背中に隠れる。



「ヨップル!!」



ビビった男鹿は、勢いでヨップルな生き物を殴り飛ばした。



「ゴップル」



殴られたヨップルな生き物は後ろに吹っ飛び、木にぶつかって倒れた。



「何やってんのよ、アンタ達…」



この様子を見ていたラミアが顔を青ざめた。



「へ?」


「襲ってきたから…」


「あいさつしようとしただけよ!!ヨップル星人はこの辺りじゃ、1番友好的な悪魔部族なのよ!?」


「知らんよ、んなもん」



ラミアの話を聞いた男鹿は、訝しげに顔をしかめて返す。



「だいたい、ヨップル星人って…宇宙人か?悪魔か?」



ラミアは男鹿の疑問を無視し、真っ青な顔で呟く。



「悪夢だわ…。人間を魔界に連れてきてしまうなんて…

しかも…、しかも、よりにもよって、ここは…


ウ゛ラドの魔境!!」



「ウ゛ラドの魔境?」


「なんだ、そりゃ?」



男鹿と古市が疑問の声をあげると、ラミアはげっそりとして、再び叫ぶ。



「ウ゛ラドの魔境!!

かつて、時の権力者 ウ゛ラド・ドラクルが探索し、ガクブル(ガクガクブルブルの略)で帰ってきた事からそう呼ばれる谷

ウ゛ラドは言った

『あそこ、めっちゃこわい』そう、本当にとっても恐ろしい超危険地帯なのです

太古の魔獣や、それを狙う密猟者がいっぱいいるのです!!」



グダグダな伝説を聞き、男鹿達はたいした事なさそうに話す。



「……まぁ、いいんじゃね?別に…」


「なぁ…アラン・ドロンで帰りゃいいわけだし」


「そうよね」




男鹿達の会話を聞いたラミアが、明るい声で振り返る。



「そうか、アランドロン!!」




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