君との子育ての日々 2

□バブ41
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〜前回までのあらすじ〜



ベル坊の気まぐれとあれやこれやで魔界へと来てしまった、男鹿と古市と姉妹


そこには、広大な魔境とおっさん(故アランドロン)の力尽きた姿が…



絶望する四人


おっさん亡き今、四人に人間界へと帰る術はない


さらに、魔境の原住民を敵にまわし、あれ?これヤバくね?と思い始める四人



――しかし、そこに僅かな希望が……




《娘ぇ!?》


「――そうだ。今からお前達には、アランドロンの娘を捜してもらう」



ヒルダの指示を黙って聞く5人。



《案ずるな。場所はわかってる。私が案内しよう。その通信機を絶対手放すな》



男鹿達の様子を見ている坊主の男が木の実を食べながら呟く。



「人間か…。どうする?ガレ」



坊主の男の質問に対し、隣に立つガレは、無言で口の端をあげた。











バブ41

『敵が現れました』









男鹿達は、ヒルダの案内で魔界の森の木の上を歩いていた。



―ズルッ―



「うわっ!!」


「危ねっ!!」



未希の足が滑り、木から落ちそうになったが、古市に助けられた。



「未希ちゃん、大丈夫!?」


「大丈夫だけどヒヤヒヤした〜」


「危ないから、未希ちゃんはオレの手をしっかり握ってるんだよ」


「うん!」



"しっかり"という所を強調させて言ってきた古市に対し、未希はいつものように素直に返事し、キュッと古市の手を握りしめた。



(ちょっ、未希ちゃん、素直な上に純粋で子供っぽくて可愛いんだけど!)




素直に反応する未希にときめいていると、先頭のラミアが容赦ない毒を吐く。



「古市、あんまニマニマしないでくんない?

キモ過ぎるんだけど」


「別にいいじゃねーか!!オレと未希ちゃんのイチャイチャなんて、なかなかないんだからよ!!」


「古市くん、キモい上にウザいくらいうるさい。静かにできない?」



笑顔だがストレートで辛辣な事を亜希に言われ、ショックを受けた古市は黙り込んだ。



しかも、



「えっ?ちょっ…古市くん、どうしたの!?」



無自覚なのだから、タチが悪い。



(ホントにあれで無自覚かよ……)



男鹿は呆れ、ラミアは…



(亜希姉様の毒吐きは、ヒルダ姉様に負けてないわね)



感心していた。







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