君との子育ての日々 2

□バブ42
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オッス、オレ古市!!


魔界です!!

今、オレ、ここ魔界です。マジ!!

え?なんで、そんなにテンション高いかって?

いや、高くないですよ。別に!



フツーです。いたってフツーに前回のあらすじ☆



「いくで!」



ひょんなことから、魔界へと来て帰れなくなったオレと亜希ちゃんと未希ちゃんとついでに男鹿



唯一の生還手段は、アランドロンの娘を捜す事。


しかし、辿り着いた小屋に娘の姿はなく、盗賊に攫われた後だった…!!


肩を落とす四人だが、その時――


オレは重大な事に気づいたんだ――…!!



古市が眺める写真には、アランドロンに肩を抱かれている娘の姿。



しかも、姉妹やヒルダ、葵に負けないくらいの美女。


ここまで言えば、わかりますよね。



(アランドロンの娘がかわいい…)








かわいいぞーーー!!






城の側面の穴から顔を出すアランドロンの娘。


騎士の鎧を纏い、剣を持つ古市。


見つめ合う二人。



まるで、運命に引き離された恋人のように……










バブ42

『はじめまして、アンジェリカさん』











キモいんですけど……

何、サブタイ前の文」



この話の開口一番のラミアの率直な感想で、古市は現実に引き戻された。



ドン引きする男鹿達は、アランドロンの娘の写真を持つ古市から距離を置く。



「―――あの…、そのマジ引きやめてもらえる?

まだ冷ややかな方が…」


「だって、キモいんだもん」


「あぁ、キモいな」


「おいっ!!」


「前々からキモいと思ってたけど、ここまでくると……」


「ちょっ…亜希ちゃん!?」


「ダー」


「ベル坊まで!?」



ベル坊まで冷ややかな視線を向けられ、がっくりと肩を落とす古市。


しかし、なんとか気を取り戻して駆け寄り、男鹿の肩に腕を回して例の写真立てを見せながら言い返す。



「いやいや、だって見ろよ!!あのおっさんの娘とは思えねー程、美人だぞ!!」


「わかったから」



必死になる古市を適当になだめる男鹿達。



そこに、通信機を通してヒルダの制止の言葉が入る。



《おい、お前ら、もうその辺にしておけ、事態は一刻を争うのだ。下らん話をしてるヒマはないぞ》


「ヒルダさん…」


《それに――》



古市は安堵するが…




《古市がキモいのは最初からだ》


「………っ」




ヒルダの言葉がとどめとなり、古市は絶句した。





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