君との子育ての日々 2

□バブ44
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「モー」



丘の上に、2匹の牛のような鳥が草を食べていた。


何気なく振り向くと、頭が出てきた。



「モ゛ッ!!」



頭の上で腕を組んで立つ男鹿の姿に、牛のような鳥は仰天する。



「ブモォオオオオオオオオオオオオッ!!」




バブ44

『ベツ人28号』




「ゆけっっ!!ベツ人28号!!」


(ダッ)



男鹿の高らかな声で突き進むベル坊。


それをヴラドの主は迎え撃つかのよう構え、鳴き声を轟かせる。



「ゴァアアッ!!」


「ひっ」



鳴き声が痛い程響くと、ヴラドの主の足が迫ってくる。



「くるぞ!」


「逃げろぉぉぉ」



潰されまいと逃げ出す住民達。




すると、男鹿は張り上げた声でベル坊に言う。



「ベツ人キックだ!!」


(ダッ)




すると、ベル坊は飛び上がってヴラドの主を蹴り飛ばす。



ベツ人キーーック!!


「………ッッ!?」



左の頬を蹴られたヴラドの主は、そこから血を垂れ流して後方に飛ばされる。



徐々に迫ってくる巨体に、住民達は逃げ惑う。



「おいおい、まさか……」



そう呟いた瞬間、ヴラドの主の巨体が住民の近くに落ちてきた。



「ぎゃああああっ!!」



必死に逃げる住民達。



街の中など気にせず、調子に乗っている男鹿は、ベル坊の髪の毛にしがみつきながら高笑いする。



「わはははっ、見たか、巨大怪獣っ!!おちるっ」


「男鹿くん、掴まって!!」



興奮するあまり、男鹿は落ちそうになったが、亜希が手を差し延べてなんとか掴まった。



「ベルちゃん、頑張れー!!」



地上にいる未希はベル坊を応援するが、古市とラミアはガク然とする。



(無茶苦茶だ…)




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