君との子育ての日々 2

□バブ46
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(―――オレ達の長い長い夏休みは終わった。そして……そして――!)



未希の手を引いて石矢魔の街を楽しそうに駆ける古市。


彼の目的地は……


――バンッ!!――


「おっはよー、亜希ちゃ……れ?」



ハイテンションの古市が居間の扉を開けると、マヌケな声をあげた。



「亜希ちゃん、いない……?」


「まだ寝てんじゃない?」



ひょっこりと顔を出した未希の言葉に、古市は軽く驚きながらも呟く。



「今日から新学期だってのに……。しょうがないな〜」



そう呟くと、古市はキリッとする。



「おねぼうさんな亜希ちゃんを起こしに行くか」


「うん!」



―――――――――




「亜希ちゃん、おっは…」



亜希の部屋に行って扉を開けると、古市は言葉を失った。


扉を開けた古市の目に飛び込んできたのは、亜希を抱きしめて眠る男鹿の姿。


ベル坊は、男鹿と亜希の間でスヤスヤと寝息をたてている。



「おっ…男鹿ァァァ!?」


「ん……」


「んァ?」



古市の絶叫に、寝ていた男鹿が目を覚ます。



「古市、朝からうっせーな。どーしたんだよ」


「どーしたこーしたもねー!!テメッ、なんで亜希ちゃんのベッドで寝てんだよ!!」


「しょーがねーだろ?ベル坊が亜希と一緒に寝たいってごねたんだから

それに、オレと亜希はカレカノだから一緒に寝ててもおかしくねーだろ」


「おかしーだろ!!その考えもお前の頭も!!」


「んっ……」



古市の怒鳴り声に、亜希の眉が動く。



「ふあー…。古市くんに未希……?」



寝ぼける瞳を古市達に向ける。


しかも、パジャマのボタンが外れていて、胸が見えかくれしている。



凄まじい破壊力の色気に、古市の顔が真っ赤になる。



「おはようvV」



亜希がニッコリと笑うと、古市だけでなく男鹿の顔まで真っ赤に。



「古市くん達、早いね。どうしたの?」


「今日から新学期じゃん!新しい学校に通うんじゃないの!?」


「「…………あ」」



男鹿と亜希、あっけらかんとした声を揃えた二人に、古市のツッコミが入る。



「お前ら揃って忘れてんのかよ!!

………これ見ろ!」



そう言って、古市が取り出したのは一枚の紙。



そこに書かれているのは…


「「転校のご案内…?」」





バブ46

『新学期始まりました』
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