君との子育ての日々 2

□バブ48
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「見てんじゃねーよ、ぶっ殺すぞ」



店のショーウインドーに向かって睨みつけるオレンジの頭の男子。



(オレの名前は山村和也

聖石矢魔学園に通う一年にして、目下 不良の修業中)


「うーん、なんか違うな…。男鹿さんは、もっと、こうぐわっと…」



先程のにらみつける攻撃に納得いかないカズ。




(夏休みデビュー、なんてクラスの奴は笑うが、言いたい奴は言わせておけばいい

オレは変わると決めたんだ…

そう――――…


強くなると―――…!!)



歩くこと数分。



「ここが男鹿さん家…」



カズは男鹿の家の前に着いた。



「思ったより…、普通だな…」



カズが思っていたのは、鳥の鳴き声が響く洋館。


想像していたのとは違い、軽く驚くが気を取り直す。



「案外、家族は普通の人達なのかも…。いやいや、油断しない方がいい。どんな化け物が出てくるか…」



そう呟いて、インターホンを押そうとした時だった。



――パリッ――



2階の窓から乾いた音がし、カズが振り向いた瞬間―――


「ダーッ!!」


「ぎゃあああああっ!!」




ベル坊の泣き声と共に窓が光り、男鹿の悲鳴が響いた。



この光景に、カズの顔から汗が流れる。



「……やっぱり、心の準備は必要だな…。うん

ってゆーか、何?今の…」


――ピンポーン――



カズは気持ちを落ち着かせ、男鹿家のインターホンを鳴らした。



「はーい、ただいまー」



すると、対応する声が聞こえ、ベル坊にミルクをあげているヒルダが出てきた。



「む?どちら様でしょうか?」



予想外の金髪美女の登場に、カズはガク然とする。




(予想外のきた)



仰天しながらも片手をあげて、片言で挨拶する。



「グ、グッモーニン」


「………?」





バブ48

『アニキと呼ばせてください』
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