君との子育ての日々 2

□バブ53
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葵達が見つめる中、三木は薄く笑いながら口を開く。



「久しぶりだね、男鹿。驚いたよ

まさか、こんな形で、また君に会えるなんて思わなかったからね…」



再会の言葉を述べる三木に、男鹿は無表情でいる。



「あれ?もしかして、忘れてる?非道(ひど)いな。中学の頃、あんなに…」



ここで、突然ベル坊が怒り狂った表情で叫びだす。



「マ゛ーマ゛マ゛マ゛ーマ゛マ゛ーッ!!」


「………中学の頃、あんなにかわいがってくれ…「マ゛ーっ!!」



盛大にデカイ声で「しゃべるな」的な感じで騒ぐベル坊。


興奮するベル坊に、周りはア然とする。



「何?」


「子供、スゲーキレてる」





バブ53

『みんな帰ります』






1年3組の騒ぎに、周りのクラスはざわめく。



「古市さん、亜希さん、未希さん!!



騒ぎの元の1年3組前の廊下に、カズが慌てて駆け付けてきた。



「何があったんスか!?これ…。大騒ぎじゃないスか」


「山村君…」


「カズ君」


「ダレ?」



カズの登場に千秋は疑問を抱くが、古市は教室の中を指しながら訊ねる。



「ちょうどよかった。あの三木って奴の事、聞きてーんだけど…」


「三木……?」


そう呟きながら、ふと前を見た瞬間……



「―――って、うわ!!アニキ!!」



カズは驚くが、構わず三木は言う。



「―――…うるさい子供だね…。人の話を聞かない、すぐキレる。君にそっくりじゃないか…「マ゛ーッ!!」


三木の言う通り、ベル坊は三木の言葉の途中で、もう死ね的な叫びを発している。



「これじゃ、思い出話も出来やしない。それに…」



そう言うと、葵の腕の間で扉からひょっこりと顔を出している亜希に顔を向ける。



「噂の『春の女神』と話ができないじゃないか…」



不満そうに漏らす三木の言葉に、扉側から覗き込む葵は口を開く。



「あの二人って知り合いなの?」


「らしいよ。ね、古市」



葵の疑問に答えた未希は、話を古市に振った。



「えぇ、中学の時の同級生で……オレも」


「マジっスか!!アニキと三木さんが!?ぎゃ、窓ガラスバキバキ!!」



騒ぐカズの横で寧々が教室を眺めると、静かに訊ねる。



「あいつはなんの部活?」


「え?」


「主将なんでしょ?」


「あぁ…、空手っス。三木さんは史上初めて1年にして六騎聖に選ばれた、本物の怪物っスよ」



カズの返答に、寧々の中で疑問が渦巻く。



(空手……?あれが…?)



考え込む寧々の隣で、中学時代から三木を知る古市が驚いた表情で言う。



「マジかよ。あいつ、中学の頃はそんなじゃなかったぞ?」



その声に、カズは思い返す。



「あれ?でも待てよ…

本当はもっと違う武術やってるとか言ってたような…

なんだっけ?ほら、ナンタラ拳とかいう、中国の拳法…」


「……………」





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