君との子育ての日々 2

□バブ59
1ページ/6ページ





六騎聖と全面対決した事で、男鹿達の退学処分、姉妹の聖石矢魔への編入の知らせが黒板に貼り出された。



「もちろん、ウチの生徒にも非はあった。それは認めよう」



生活指導の木戸は、手を組んで、静かに告げる。



「だが、君達は厳重注意を受けた上での過失だ

何か言い分はあるかね?


右から神崎、東条、姫川、夏目、葵、亜希、男鹿、未希、古市の順に立っていた。

古市除く男子は無表情で、葵は静かに息を呑み、姉妹は目を瞬き、古市はげっそりとしていた。





バブ59

『次の戦いは何ですか?』





「あの…」



木戸が言い終えると、古市がおずおずと挙手する。



「僕…、何もしてないんですケド…
正直、ここに呼び出された意味がわからないというか…」



確かに、古市はあの時、扉から傍観していた。直接的に戦ったわけではない。

それは、一緒にいた亜希が証明してくれるはず

そんな古市の気持ちを察した亜希が口を開く。



「あの…「とぼけるな!!お前があれこれ入れ知恵したんだろ!」

「いわば主犯格じゃないか!!」

「何が智将だ!!」



亜希の声は届かず、木戸の横に立つ教師に一方的に攻め立てられた。



「そんな…」



教師達の信頼を失い、ショックで言葉を失う古市。

しかし、そこへ葵の助けが入る。



「待って下さいっ!!彼は本当に無関係です!」



必死に古市の無実を訴える葵。



「邦枝先輩!!」



古市が喜びの声をあげると、葵は続ける。



「―――いえ、そもそもの責任は、全て皆を止められなかった私にあります

私が退学になるのは仕方のない事です

――ですが、ここにいる者はせめて、聖石矢魔の方々と同じ処分であるべきです」



教師達に説明する葵の隣で亜希は納得いかなさそうにしている。



(葵ちゃんは悪くないのに…)



「―――ほう」



今まで話を聞いていた木戸が、ゆっくりと口を開いた。



「――――ちなみに、うちの生徒で処罰の対象となったのは3人

城山君にケガを負わせた1年3組の生徒、仲代君、森君、角田君ら

それぞれ2週間の停学処分となっている

部長連に関しては、特に処罰はない」

「おいおいおい」



姫川が声をあげるが、木戸は話を続ける。



「残念だが、彼らと君らでは全く立場が違う。彼らには、校内の秩序を守る為、多少の制裁行為が認められている

今回の件も、その範疇(はんちゅう)だ

特に、君達が来る事が決まってからは、その権限(けんげん)を強く行使(こうし)するよう、こちらからもはたらきかけた

彼らに落度はないよ」



六騎聖と石矢魔の処罰の差に、葵が不満の声をあげる。



「――――そんな

納得出来ません!!



葵に続き、神崎と夏目が反論する。



「話にならねーな」

「じゃ、何か?こっちはやられっぱなしで黙っとけって話ですか?」




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ