君との子育ての日々 2

□バブ60
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聖石矢魔への転入生として男鹿達の前に現れたヒルダは、佐渡原に訊ねる。



「先生、私はどこに座ればよいのでしょうか?」

「ん?好きな所に座りなさい

いっぱい空いてるでしょ」

「―――なるほど」



佐渡原の言葉を受けたヒルダは、男鹿の前の席に座る男子に声をかける。



「おい、貴様」



すると、ヒルダの瞳が細く、鋭くなる。



「どけ」



短く命令した瞬間、教室の空気が冷たく重いものになった。

そんな中、教壇に立つ担任・佐渡原は、1人涙を浮かべる。



(また、変なのが来たよ)



――――波乱の学園生活が始まった瞬間だった。













バブ60

『転校少女がナニかしましたか?』





ちょっとアナタ!!
いきなり来て何言ってんのよ!

空いてる席なら他にもあるでしょう!?そっちに座りなさいよ!!」



ヒルダの言葉に反応した葵が、怒鳴りながら立ち上がった。



「邦枝か…、相変わらず勇ましいな」



葵の言葉にヒルダは平然と返す。



「しかし、私は変態的な男(クズ)共から亜希を守らねばならない上に、この子の世話をしなければならない」



この子というのは、ベル坊の事である。



「席は近い方がいいだろう」



静かに始まったヒルダと葵の戦いに、周りが反応する。



(お……っ)

「おおおっ、いきなり女の戦いが始まったぞぉぉ!!」

「ヨメ対愛人かぁっっ!!」

「いいぞ、やれやれぇっ!!」

「姐さん、アタシらがついてますよ」



様々な声が飛び交う中、東条は後ろの席に座る相沢に訊ねる。



「誰?」

「男鹿のヨメらしいっすよ」

「ほー」




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