君との子育ての日々 2

□バブ62
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男鹿達が練習に励んでる頃、市民体育館では、六騎聖も練習に励んでいた



「よーし、15分休憩や」



出馬の声で、合間の休憩時間に入った



「フー、あっちぃあっちぃ」



9月に入っても残暑があり、体を動かせば汗が流れる。



「―――しっかし」



休憩に入り、郷は床に座ると、持ってきたスポーツドリンクを飲みながら、隣でタオルで汗を拭くアレックスに話す



「ここまでやる意味あんのかねぇ
相手はどーせ、ろくに練習もしてこねーよーな素人集団だぜ?」

「タシかに…。少々やり過ぎという気もしマスね…」

「―――いえ」



すると、彼らの隣に座る三木が話す



「練習……始めたそうですよ…。彼ら…」



三木の両手がテーピングしてあることに気付き、郷は訊ねる



「おいおい、三木…。てめーはそれ、自主練しすぎじゃねーか」

「………別の練習ですから、これは…」



休憩になっても緩まず絞まった表情で話す三木の姿に、郷とアレックスは疑問符を浮かべた

そこへ、七海が定番の差し入れを持ってくる



「みんなー、レモンのハチミツ漬け食べるー?」



三木達の様子を、出馬は無表情で眺めていた





バブ62

『あなたがキャプテンです』





ヒルダの提案で、彼女の殺人的サーブを拾えた者がリベロということが決まった聖石矢魔の体育館

ポジションの決定権を握ったヒルダは、薄ら笑いながら確認するように訊ねる



「―――では、いくぞ。準備はいいか、邦枝…?」

「いいわ…。あなたのサーブを拾えばいいのね?」



ヒルダを見返す葵は、望むところとでもいうように返事した

すると、烈怒帝瑠のメンバーがヒルダに猛抗議する



「おいこら、オガヨメッ!!仕切ってんじゃねーよ!!」
「てゆーか何様!?」

「なんであんたにポジションとか決めらんなきゃなんないのよっ!!」



寧々が張り上げた声で苦情を言うと、「そうだ、そうだひっこめー」と同意の声を揃えた



「女ってやつは…」

「うわぁ…、対抗心むき出し…。こわいねー」



ヒルダに異議を唱える烈怒帝瑠の姿に、ステージに寄り掛かる神崎と夏目はドン引き

その隣で、男鹿は不安げに亜希に話しかける



「つーか、ヒルダの奴、バレーとか知ってんのか?」

「大丈夫じゃない?さっき、普通にサーブ打ってたし」




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