君との子育ての日々 2

□バブ42
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ヒルダの話から、アランドロンの娘を幽閉してるという盗賊団のアジトに行く事になった男鹿一行。



盗賊であるガレ&エッダにアジトの居場所を訊くが…



「アジトまで連れてけ?

おいおい、ナメてんじゃねーぞ。オレ達が仲間を売るとでも思ってんのか?」


「まったくだ。アウトローだぜ?オレ達ゃ」



縛り付けられてるにもかかわらず、アジトの場所を吐こうとしない。



「王族の権力なんて関係ねぇ。どんな拷問されよーと、口を割るわけねーだろ、ボケ」


「クク…。そういうこった。魔獣に喰われて死ねカスが」



このままでは、いつまでも話は進みませんね。



男鹿もそれを察しており、無表情で眺めた後、辺りに『ガン!!』という音がした。




――――――――




ガレとエッダを強制的に案内させ、男鹿達は盗賊街を一望できる丘の上にいた。



「あそこか…

間違いねーんだろうな?」



男鹿が振り返った先には、いまだに縛りつけられ、異様なまでにガクブルのガレ&エッダ



「は…はい。そりゃあもう……」


「あの1番大きな建物に幽閉されてるはずですから」



怯えているガレとエッダを見て、ラミアも少し怯え気味。



「何されたのかしら…」


「あぁ、オレ、こういうの見たことある」



古市は引き攣った表情で話した。



「街?」



その頃、魔界にいるラミア達と連絡するヒルダは、男鹿の部屋にいた。



「あぁ、それなら聞いた事がある

ヴラドの盗賊街。古代の遺跡に住みつき、魔境の魔獣達を乱獲している連中だ」



ご丁寧にヴラドについて説明するヒルダ。


しかし、古市にとって今1番重要なのはそこではない。



《ヒルダさん、そんな事より一つ聞いていいっすか?》


「なんだ?」


《あ、あの、おっさんの娘さんの名前なんですが…》


「名前?あぁ、そうだったな。アランドロンの娘の名は―――…」


《娘の名は―――…!?》


《アンジ…"プツッ"



アランドロンの娘の名前を言いかけた時、通話が途切れてしまった。




「えぇ!?切れた!!なんで!?」


「ヒルダさーんっ!!ちょっとー、アンジなんですかーっ!?

そこ重要なんですけどーっっ!!―――って、ここ圏外!?」



連絡係のラミアはもちろん、1番重要な情報を得られなかった古市は、あわてふためく。



「てゆーか、これからどーすんですかー」



いや、古市はパニックの域だろう。



「アンじーさんじゃね?」


「ダ」


「フフフ…」



男鹿達の横のエッダが笑い出すと、ガレが言う。



「ジャミングだよ」



ガレの言葉に、亜希が反応する。



「アンジャミングさんですか?言いづらい……」



質問の後に本音を漏らした亜希に、ガレが嘲笑いを浮かべながら言う。



「そーじゃなくて、結界みたいなもんだ。ここは盗賊街だからな、外界とは連絡がとれねーように、ジャミングがかけられてんのさ

この先、その通信機は使えねーぜ」


「「そんな……」」



嘲笑うガレの嫌味ったらしい忠告に、古市と未希は不安を感じる。



しかし、男鹿とベル坊はいらつくように眉をひくつかせ、亜希は真っ黒いオーラを放ち、青筋をたてて微笑みながら手をボキボキと鳴らす。



すると、ガレ&エッダは慌てて両手を挙げながら、態度を変える。



「―――いやっ、だから気をつけて下さいねってゆー…」


「そーゆー話ですよ、ホント!!」




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