君との子育ての日々 2

□バブ44
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「ハァ、ハァ…」



起き上がるヴラドの主を見つめるベル坊の肩の上では、彼の耳に掴まってる男鹿が汗を拭う。



「フー…。やべぇ…。なんか楽しくなってきちゃったぞ」



楽しそうに呟くと、ベル坊に指示を出す。



「よーし、ベル坊!!お次はベツ人ボンバーだ!!」


「…………」



しかし、巨大ベル坊は動こうとしない。



「ベル坊?」


「ベルく……きゃっ!!」


(ダッ)


「わわっ」


「くっ…」



亜希が声をかけた瞬間ベル坊は駆け出し、足を滑らせるが、男鹿に支えられた。



「亜希、しっかり掴まってろ!」


「うん、でも……」


「こえぇえっっ!!」



しかし、ベル坊は止まらず、腕を構えてまっすぐとヴラドの主に向かっていき………。



ベツ人ボンバーッ!!



ベツ人ボンバーが決まり、気持ちが高揚している男鹿は叫ぶ。



「もういっちょう!!」



今度は肘を突き出し、ヴラドの主に向かって倒れ込む。



ベツ人エルボー!!



「はははははっ!!よーし、亜希、お前も何か言え!!」


「えぇっ!?」



いきなり男鹿に言われ、戸惑いの声をあげる。



「うーん…」



うーんと考える亜希を見る古市は内心つっこむ。



(おいおい、男鹿ァ、亜希ちゃんが言うとでも…「ベルくん、ベツ人アタック!!」



ソプラノの声を張り上げる亜希。



すると、ベル坊はヴラドの主に全力で体当たり。



ベツ人アターーック!!



(亜希ちゃん、ノリノリだ)



傍観者、古市の内心は少し複雑に。



「うはははははっ!!とどめだ!!」



巨大ベル坊の肩にしがみついてぶら下がる男鹿は高らかに笑い叫んだ。


ちなみに、亜希は男鹿の腰にしがみついてます。




ベツ人、逆エビ固め!!



バブ1で男鹿が不良に繰り出した技、逆エビ固めが決まり、ヴラドの主は悲鳴をあげる。



「ゴァアアアアッッ!!」



そして、力尽きたのか、前に倒れ込んだ。



住民達が驚愕する中、ベル坊は指を突き立てて、勝利の雄叫びをあげる。



「ダー――ッ!!」



その瞬間、住民達は歓喜の声をあげる。



「うおおおおおおっ、やりやがった!!」


「あの赤ん坊っぽいの、怪物を倒したぞ!!」


「すげぇっっ!!オレ達を守ってくれたのか!!」


「10カウントKOだーっ!!」


「街はほぼ全壊だけど!!」


「帰れーっ」



住民達のそれぞれの叫びが飛び交う中、大興奮の巨大ベル坊は手足を振っている。



「アーッ!!アーーッ!!」


「何がしたいんだーっ!!」




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