君との子育ての日々 2

□バブ44
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一方、アンジェリカの手錠を引いて、城の外で今までの様子を見ていた盗賊の首領が言葉を漏らす。



「……っ、うぬぅ…

なんて事だ…。儂の街が…っ」



そこに、第三者の声がかかる。



「おっと、そこまでだ」



振り向くと、顔に手を当てて、カッコつける古市が立っていた。



「その子を放してもらおうか、ヒゲメーン。それとも、オレとおどるかい?」


「古市様!!」


「ちぃっ、小僧…っ」



首領はとっさにナイフを取り出した。



それでも、カッコつけている古市に未希は目を輝かせ、ラミアは呆れている。



(かっこいい〜!!)


「(本物のバカだ)アンタ、弱いんでしょ?」



呆れるラミアを横目に、古市は意地でもカッコつけ続ける。



「刃物か…、やめときな、そんな物(うわー、ナイフ出てきちゃったよ)

ケガするぜ?(オレが)」



表面上はスマートに挑発するが、本心はナイフにビビりまくり。



(くそぅ、弱そうだと思ったのに……)


「なんだと!?何故だ!!」



真顔で訊ねられてきた首領に対し、古市は少し曖昧に返す。



「何故って…、それはあれだ」


「どれだ!?」


「えー、つまり、一子相伝の暗殺拳がだな…

長兄と3男の間で……」


「なんの話!?」



古市がグダグダなでたらめを話をしていると……



――ズン!!――



巨大ベル坊の左足が彼らのギリギリの所に下りてきた。



アンジェリカとラミアと未希は寸での所で、古市は親指と人差し指の間で助かったが、首領は見事に踏み潰された。



「―――…」



古市はポーズをとったまま固まり、アンジェリカと未希は目を見開く。



巨大ベル坊が足を上げると、のびている首領の姿。



しばしの沈黙が流れ、古市は気まずそうに口を開く。


「……えーと…つまり………

こうなるって事さ!!



「ムリヤリキメた!!」



いまだに興奮し、暴れるベル坊。



古市は数秒前を思い出し、滝のように冷や汗を流すと、巨大ベル坊に乗っているであろう男鹿に向かって叫ぶ。



「つーか、おいっ!!危ねーだろ、男鹿!!今のオレ…指のすき間だぞ!?

たまたまうまくいったからよかったもの……。聞ーてんのか、おいっ!!お…」



男鹿への抗議は、近づいてくる足によって終わってしまう。



「え?……ちょ」



戸惑いの声を出すが、巨大ベル坊の足が下りてきた。



「ぎゃああああっ!!」



容赦なく踏み付けてくるベル坊の巨大な足に潰されまいと、古市は未希の手を引いてラミアやアンジェリカと全力疾走。



「おいおいおいっ!!

なんだ、これ!?ベル坊暴走!?

男鹿は何してんだよっっ!!亜希ちゃんは無事なのかよ!!」





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