君との子育ての日々 2
□バブ44
4ページ/5ページ
その直後…
「おっす」
頭から血を垂れ流している男鹿が亜希の手を引いて、右手を挙げていた。
「って、何故か前にいたっ!!」
「オレも亜希もふり落とされました」
「よく生きてたなっ!!」
男鹿達がこんな会話をしている間も、暴れ続ける巨大ベル坊。
アンジェリカが巨大ベル坊を見ながら言う。
「興奮してるんだわ、どうにかして止めないと…」
「んな事言っても、どーやって……」
「きゃっ」
古市が言いかけると、ラミアが石につまづいた。
「ラミアちゃんっ!!」
「ラミア…っ!!」
男鹿はすぐさまラミアの前に駆けていき、足を振り下ろしてきているベル坊に向かって叫ぶ。
「止まれっ!!ベル坊!!」
声を張り上げて、巨大ベル坊を止めようとしている男鹿の姿に、ラミアは驚愕する。
それでも、止まらない巨大ベル坊。
「―――って、ムリかぁあああ!!」
――ズズウウン…――
辺りに重い音が響き渡り、土煙が立ち込める。
古市達が咳込むと土煙が晴れていき、目を開く。
「情けないな…」
男鹿の前に、巨大ベル坊の足を片手で止める長髪の男がいた。
男は振り向かず、男鹿に訊ねる。
「貴様…
それでも契約者か…?」
→あとがき