君との子育ての日々 2
□バブ53
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三木の胸倉を掴んだ寧々の肩に、男鹿は手を乗せた。
葵達がア然する中、男鹿は口元を吊り上げながら言う。
「―――ここで買ったら、負けだぜ?」
寧々が驚いてると、胸倉を掴まれている三木は薄ら笑いながら言う。
「へぇ…。君が止めるんだ」
そして、寧々から離れ、服を整えながら呟く。
「残念…。もう一人退学に出来ると思ったのに…」
いまだにざわつく1年3組から、石矢魔組は教室に戻る事に。
「そうそう、石矢魔のみなさん」
真田(兄)が神崎を担いだ時、三木に声をかけられ、振り返る。
「放課後は是非、旧校舎屋上へ…」
すると、三木はまっすぐと石矢魔組を見つめながら続ける。
「我々、部長連がお待ちしておりますよ」
すると、三木は男鹿に向きながら訊ねる。
「男鹿君、君はもちろん来るよね?」
三木のこの質問に、男鹿は背を向けたまま返す。
「…………
つーか、さっきから馴れ馴れしーとこ悪(わり)いんだけど……」
ここで、男鹿はゆっくりと振り返る。
「お前…、誰だっけ?」
「マ゛ーッ」
飄々とした笑みを浮かべた男鹿の背中のベル坊は、挑発的に小指を突き立てた。
しかし、三木の視線は、古市に手を引かれる未希に向かれる。
「未希ちゃん」
「ん?」
「またね」
「未希、あなた…「うん!」
「(未希…)」
未希の素直さに葵は頭を抱え、三木の表情が少し和らいだ。
すると、石矢魔組は自分達のクラスへと戻っていった。
「い……いった?」
、