君との子育ての日々 2

□バブ53
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場所を戻して、石矢魔特設クラス―――…



「アハハハ、男鹿ちゃん達、帰っちゃった!!」



夏目は楽しそうに笑うと、静かに立ち上がる。



「―――さてと。じゃ、おれも帰るとするわ」


「夏目……!!」


「待ちなさいっ!!」


「おいおいおい」



葵と寧々が引き止めようとしていると、姫川が動いた。



「何かっこつけてやがる。オレの方が帰るに決まってんだろ」



メガネを押し上げて立ち上がった姫川の帰宅宣言に、葵はア然とする。



「ちょっとあんた達!!」




――――――――




皆様、先程から視点転換激しいですが、ついていけてますか?



今度は、旧校舎屋上へと場所を移します。




「まてまてまて

なんの冗談だ、こりゃ…」



夕日で空が赤く染まり、風が吹く旧校舎の屋上。


すぐ後ろから未希が、さらに後ろの扉の陰から古市が見守る中、男鹿は目の前の人物達を睨みつけていた。



「一人かよ!!オレ達相手に…!!」



制服を着てない男――郷が、リンゴ片手に口を開いた。



「どうやって4等分すんだよ」



郷の後ろには、三木とアレックスが薄く笑って、榊が静かに佇んでいる。



「二人足りねーぞ、ボケ」


「あ?」



男鹿の言葉に郷は凝視する。



「なんだ、いるじゃねーか。もったいつけやがって」

「え…?」



郷が呟いた言葉に、男鹿と未希は振り返る。




そこには、先程帰宅宣言をした夏目と姫川、葵が無表情で立っていた。



「どいつだ?神崎君と城ちゃんやったの…」


「どーでもいいが、オレの石矢魔ナメてくれた礼はしねーとな」


「―――言っとくけど…

私は止めに来ただけだから!!」



夏目と姫川が呟き、葵が言い放つと、男鹿は薄く笑う。


そして、郷は楽しそうに笑いながら言う。



「いいね、ちょうど4人v」





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