君との子育ての日々 2

□バブ56
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一同の視線の先には、三木の必殺技をまともに受けて倒れたはずの神崎。


しかし、神崎はしっかりと立ち、目は据わっていた。



「よぉ、盛り上がってんじゃねーか」



静かに言い放った神崎の言葉に、石矢魔軍は驚きの声をあげる。



「神崎!!」

「神崎さんっ!!」

「神崎君っ!!」

「神崎だっ!」

「生きてたのか!!」




神崎の名前を叫ぶ中、彼が生きてた事に驚いたのは古市である。



「――…けっ

しぶてー野郎だ」



薄く笑った姫川。



彼らの視線の先の神崎は、蹴りを食らわせた三木を指差しながら言い放つ。



「立てコラ

オレのケンカは、まだ終わってねーぞ

それとも、まさか不意打ち一発入れたくらいで勝った気になってんじゃねーだろな?

ホクロチビ」



冷ややかな空気が流れる神崎と三木。

神崎の登場に、夏目は一呼吸おいて口を開く。



「おい」



その声に目を向けると、夏目は静かに笑いながら郷に告げる。



「緩んでるぜ?」

「!」



刹那、夏目は腕と脚を振り上げ、郷に拳と蹴りをお見舞いする。


それを、郷は咄嗟に腕でカバーした。



「………っ!!」



踏ん張って地面を滑ると、体勢を構える郷。



「やれやれ…」



蹴っ飛ばした郷の目の前では地面に着いた夏目は、色がない笑みを浮かべ、前髪をかきながら呟く。



「本気とか…

キャラじゃないんだけど…」



青空が広がる屋上に、強めの風が吹き始める。

しかし、この場の空気は穏やかなものではない。



「オラ、どうした。ホクロ」



神崎が挑発すると、三木と対峙する。

しかし、三木は一歩も動こうとしない。

痺れを切らした神崎は、人差し指を突き立て、デカイ声で三木に言い放つ。



「さっさとかかってこいや、こらっ!!

土星あたりまでぶっ飛ばしてやるからよっ!!」






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